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情報技術(IT)の発達と社会課題の変化を背景に、多くの企業がDXへの取り組みを迫られている。しかし、日本企業特有の労働環境などからDXへの取り組みが失敗に終わるケースも少なくない。そんなDXの実現に、効果的なのが「開発内製化」だ。なぜ開発内製化が有効なのか、そして、どのように内製化を実現すればいいのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC) 業務ITコンサルティング部 マネージャーの谷口智史氏が語る。

日本企業が苦戦するDX推進と内製化

 DXの必要性は広く認識されているが、実現はそう簡単ではない。テクノロジーは常に進化し、しかもそのスピードは加速しており、企業はDXを導入するだけでなく、常にアップデートしていかなくてはならない。DXの実現プロセスは「事業革新/立ち上げ」「業務改革」「IT活用」3段階で構成されている。DXの最終段階であるIT活用を実現するには、前段階として業務改革が必要で、業務改革を実現するには事業革新と事業の立ち上げが必要になる。

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2022年10月14日開催「DX を実現するノーコード/ローコード開発」セミナーでの三菱UFJリサーチ&コンサルティング講演資料から抜粋(以降の本記事の図表も同様)

 「情報技術の変化、進化のスピードが速いため、1回だけやればよいわけではありません。DXの実現プロセスを繰り返すサイクルの継続を常態化していくことが大事です」と、三菱UFJリサーチ&コンサルティングで、企業のDX構想策定や体制構築などを支援してきた谷口智史氏は話す。

 谷口氏は、DXの成果目標は、利益を高めることであり、DXによって事業活動を刷新し、顧客に対する付加価値の増加や業務費用の削減が十分であれば、投資費用の回収に成功すると説く。この付加価値の増加と業務費用の削減には、顧客体験と業務効率の革新が必要となるが、そのために重要なキーになるのが「アプリケーション」だという。そして谷口氏はアプリケーション開発こそ、開発の内製化が有効な領域だと強調する。

「アプリケーションをつくり込むには小刻みな改善が必要です。それには開発の内製化が有効だと考えています」(谷口氏)

 しかし現在、多くの日本企業では、アプリケーションの内製化はもちろんDXの取り組み自体に苦戦しているケースが多いのも事実だ。こうした日本企業のDXでの苦戦は何が原因なのだろうか。そして、DXの苦戦要因を取り除き、内製化を進めるのはどのような手段が有効なのだろうか。

この記事の続き >>
・DXに失敗する日本特有の「背景」とは
・DXを阻む6つの原因
・内製化の実践方法を詳細解説

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