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1970年創業の船井総合研究所は、1988年にコンサルティング業界初の株式上場を果たし、2014年にホールディングス化した。現在は船井総研ホールディングスの傘下に複数の事業会社を展開している。関連会社の船井総研デジタルは、「バックオフィス・トランスフォーメーション」を推し進めることにより、グループ内部売上高10億円に対し、外部売上高60億円を計上するなど、バックオフィス部門のプロフィットセンター化に成功したという。この事例をもとに、DXの秘訣を探る。
バックオフィスの在り方を再定義し、付加価値を創出するプロフィットセンターへ
船井総研デジタルは、船井総研グループのバックオフィスを集約したシェアードサービス会社として事業をスタートした。現在はバックオフィスサービスやコンサルティングサービスを外部に提供し、グループ内部売上高10億円に対し、外部売上高60億円を計上している。同社が推進する「バックオフィス・トランスフォーメーション」は、バックオフィスの在り方を再定義し、付加価値を創出するプロフィットセンターへと導くことを目指している。その実行手段について、代表取締役社長を務める柳楽仁史氏は次のように語る。
「まず、コストセンターと捉えられがちな間接業務を『サービス』として捉え直し、生産性と収益に貢献できるバックオフィスに変えていきます。次に、生産性が上がって発生した余剰の時間や人員を外販に振り向け、プロフィットセンターとして自立させます。事務スタッフの数字意識を高め、最終的には自らのサービスを外部に提供できるスタッフになるというストーリーです」(柳楽氏)
現在、グループ外の売上高は60億円だが、2014年のホールディングス化に伴って分社した当時、外部売り上げはなく、グループ内部の間接業務を引き受けるシェアードサービスとしての色合いが強かった。バックオフィス・トランスフォーメーションを経て、間接業務の生産性を上げ、余剰で発生した人員や工数を外部に振り向けていき、外部に売れる価値を創出したのだ。
柳楽氏は「バックオフィス・トランスフォーメーションの実践は非常に苦しい、試行錯誤の連続でした」と振り返った。船井総研デジタルでは具体的にどのようにバックオフィス部門のDXを進めたのか? 柳楽氏はそのポイントを事例とともに説明した。