「さよなら、銀行」なぜ住信SBIネット銀行は勘定系システムを刷新したのか
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急増する顧客数に対応するため、勘定系システムの強化が急務に
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスの出資を受け、2007年9月に開業したインターネット専業銀行である。同社は2021年3月時点で、新形態銀行として預金残高、住宅ローンの実行累計額でトップを誇る。さらに最近は、「NEOBANK」というブランドを立ち上げ、銀行という形態にこだわらない新たなサービス提供を開始した。そのメッセージが「銀行をインストールする。世界をアップデートする」だ。同社 システム開発部長 岩本 裕次氏は次のように説明する。
「NEOBANKは、決済、預金、融資などの銀行の機能を、提携事業会社を通してお客さまに提供する新たなサービスです。すでに、JALマイレージバンク会員さま向け『JAL NEOBANK』、Tポイント会員さま向けの『T NEOBANK』などがスタートしています」(岩本氏)
同社はインターネット専業銀行ということもあり、ITへの取り組みも先進的だ。それを象徴するのが、2019年に顧客接点系のすべてのシステムをパブリッククラウドに移行したことだろう。ただし、銀行の中枢である「勘定系システム」についてはオンプレミスを継続している。システム運営部長 渡邉 弘氏は、その理由を次のように説明する。
「何百万という口座の出入金に対応する勘定系システムには、絶対に止めてはならないため、極めて高い可用性・安定性・処理能力・セキュリティのすべてが求められます。その要件を満たすシステムとして、現時点ではオンプレミス基盤が当社にとって最善だと判断しました」(渡邉氏)
ただし、銀行の根幹を支えるべきその勘定系システムにも「ある課題が生じていた」と岩本氏は語る。
「開業以来、毎年約30万ずつ顧客数が増加し、現行の勘定系システムのキャパシティである500万件への到達が、想定より早まりそうだったのです」(岩本氏)
そこで、急増する顧客数を支える処理能力と、銀行という枠にとらわれないための拡張性を持ち、安定性も兼ね備えた盤石な基盤が必要となったのである。
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