「アカウントが漏えいしている前提」で情報資産を守るセキュリティ対策
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99.7%の企業でアカウント情報が漏えいしている現実
IDとパスワードの組み合わせ、つまり「アカウント」は、システムの利用者が正しいユーザーであることを担保する情報だ。ところが、あるセキュリティ企業が、民間企業や政府機関など1500のドメインを調査したところ、99.7%でアカウントの漏えいが確認されたという。いうまでもないが、攻撃者にアカウントが漏れたらシステムを勝手に利用される。アカウントの権限によっては、企業の機密情報にも自由にアクセスできる。99.7%という数字は、もはやIDとパスワードでは機密情報を守れないことを意味している。
そこで必要になるのが、パスワードに頼ることなく認証を強化する仕組みだ。その1つがログイン毎に異なるコードを発行するSMS認証やワンタイムパスワード認証だ。ログイン時にユーザーのスマートフォンに送った認証コードや、スマートフォンのアプリで発行されたワンタイムパスワードを入力させて、二つ目の認証要素として利用する仕組みである。非常に有効ではあるが、完全ではない。現実にフィッシングによって突破されるケースが起きている。
攻撃者はアカウント確認などを装った偽サイトを作り、そこにユーザーを誘導してIDとパスワードを窃取する。窃取したIDとパスワードを攻撃者が正規サイトに入力すると、ユーザーのスマートフォンに認証コードが送られる。ユーザーがその認証コードを偽サイトに入力すると、攻撃者がそれも窃取し、正規サイトにログインするのである。
IDとパスワードは漏れている。生体認証やワンタイムパスワードも完全ではない。この厳しい環境下で、企業はどうやって自らの情報資産を守ればよいのだろうか。
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