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「想像できないこと」に対し適切に備え、対応することは不可能
2016年の熊本地震や2018年の北海道胆振東部地震など、震度7クラスの強い地震動を伴う地震が頻発している。そして、大雨による土砂災害や洪水災害は「地球温暖化の影響を受けているという見解を示す専門家もいる」と目黒氏は述べる。「地球の平均温度が上がることで、気象現象の“振れ幅”が大きくなる。2018年も西日本豪雨で大きな被害が出ましたが、48時間で400~500ミリ超といった大量の雨が頻繁に降るような事態はこれまであまり例がありません」(目黒氏)
こうした大洪水や大規模な干ばつといった極端な自然現象に対しては、インフラを整備するといった「ハード面」ですぐに対応することが難しい。
では、こうした被害をいかに軽減するのか。目黒氏は、企業が災害対策を適切に立案、実行するには「災害イマジネーション」が不可欠だと指摘する。
災害イマジネーションとは、「対象地域の特徴と発災時の条件を踏まえた上で、発災からの時間経過にともなう災害状況を適切に想像できる力」のことだ。特に、災害に責任を持って対応すべき立場にある人には、高い災害イマジネーションが求められる。
目黒氏は、「『自分が想像できないこと』に対し適切に備え、対応することなど絶対にできない」と断言する。
災害現象のメカニズムは「インプット→システム→アウトプット」の関係で捉えると分かりやすい。インプットは地震動や津波などの自然の脅威(ハザード)そのものだ。
これが対象地域の地域特性(社会システム)を介して、アウトプット(物理的・社会的な現象)として現れ、さらにある閾値(限界値)を超えると、被害や災害(ディザスター)となる。
「地域特性は、地質や気候、地形といった自然条件で決まる自然環境特性と、人口分布/密度やインフラの特徴、政治、経済、文化、法制度など、人間依存の条件である社会環境特性から構成されます。この両者でその地域の人々の生活スタイルが決定します。これに季節や曜日、時間帯といった時間的条件を踏まえた上で、発災からの時間経過とともに、何が起こるかを想像できなければなりません」(目黒氏)
この想像力がないがために、良かれと思って立案した災害対策や制度がまったく効果を発揮しなかったり、むしろマイナスの効果を持ったりする場合があるという。
では、どのように備えれば被害を最小化できるのだろうか。
・事業継続は「目的」ではない、企業ミッションを実現する手段だ
・防災対策は「コスト」から「バリュー」へ
・有事の「最適な人材配置」を考える
・災害時の「リモートワーク」をどう機能させるか
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