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日本企業の最大の課題は「経営力不足」
──昨今のビジネス環境では、企業の意思決定に、よりスピードが求められているように感じます。こうした変化について、赤羽さんはどのようにとらえていらっしゃいますか?赤羽氏:インターネットの登場以降、ビジネスのスピードが加速しています。その結果、日本企業と米国企業では、生産性に大きな差がついてしまいました。さらに、企業の成長スピードも加速しています。フェイスブックが登場したのが2004年で、そこから一気に何十兆円もの価値を持つ企業に成長しました。アマゾン、アップル、グーグル、またテスラもそうです。1人の極めて卓越した起業家が登場し、すさまじいスピードで意思決定し、圧倒的な勝ち組になったのです。
一方の日本企業は、みんなで議論して何もしない。もしくはようやく一歩進むといった状況です。結果として、マラソンにたとえるなら、すでに先頭集団は25~30キロ付近を走っているのに、日本企業はまだスタート地点、といった状況です。ここから追いつくには、よほどのことをしなければ難しい。「即断即決、即実行」の重要性がますます高まりました。
──高度成長期には、日本企業もうまくいっていたように思えますが……。
赤羽氏:高度成長期は、アメリカが何でも買ってくれました。しかも、中国や韓国、台湾、インドなどとの競合もほとんどない状況でした。したがって、ものづくりの伝統、高いすり合わせ技術を持っていた日本は、それを活かして製品を作り、品質を高めていけば売れる商品が作れたのです。
しかし、今は違います。今は少数のスーパーエンジニアが開発したアプリケーションやサービスが、一気に世界を制する時代です。経営のスピードも製品やサービスの変化も、すさまじく加速しています。
2000年以降、私は日本企業の「経営力のなさ」が致命的だと指摘してきました。意思決定が遅く、ここぞというときにアクセルが踏めず、勝負できないのです。
高度成長期に比べて経営者の質が大きく落ちたとか、そういうことではないと考えています。高度成長期に経営者が特別優秀だったわけではなく、アメリカが商品を際限なく買ってくれて、競合があまり存在せず、日本にものづくりの技術があって、日本人に誠実、質へのこだわり、熱心さ、滅私奉公といった資質があったから爆発的に成長したと考えられます。残念ながら、真のグローバリゼーションが始まった途端、そういった競争環境が変わり、日本人の強みが通用しなくなったのです。
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