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消費者の安全・安心の確保のためにも「公益通報者保護制度の実効性向上」が課題
日本においては、2006年4月、内部通報・内部告発を行った労働者を保護する「公益通報者保護法」が施行され、これに伴い、多くの日本企業で内部通報制度が構築された。この内部通報制度構築、運用のためのポイントを定めたのが「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン( 平成28年12月9日消費者庁)」(以下「ガイドライン」)だ。デロイト トーマツ リスクサービス(DTRS)主催「グローバルホットラインセミナー」に登壇した大友氏によれば、ガイドライン改正の背景には、多くの消費者・事業者・労働者が自らに関係する企業の内部通報制度が有効に機能しているのかどうかについて、高い関心を示していることがあるという。
「近時の不正会計の事案などは、外部への通報で明らかになりました。企業が自浄作用を発揮し、ステークホルダーからの信頼を獲得しつつ、企業価値の維持、向上を図るためには、内部通報制度の実効性を高めることが欠かせません」(大友氏)
公益通報者保護法を管轄する消費者庁は、悪質商法などの事件や偽装表示等の企業不祥事が続発したことを受け、各府省庁縦割りだった消費者行政の窓口を一元化し、消費者行政の司令塔として2009年(平成21年)に発足した。
事業者の法令違反行為などを通報する「公益通報」のルートのうち、事業者内部への通報が「内部通報」だ。公益通報の通報先には、このほかにも消費者庁や各省庁等の行政機関、そして報道機関等の事業者外部があるが、大友氏は、「本来であれば、企業が内部通報を真摯に受け止め、自浄作用によって問題を未然・早期に解決することが一番望ましい」と語る。
「しかしながら、社内で対応してくれない、不利益を被るかもしれないとの懸念から、内部通報が有効に機能していないケースがあるのが実情です。個人消費(消費者マインド)の喚起を掲げる『消費者の安全・安心暮らし戦略2016』の中でも、消費者の安全・安心の確保のため、公益通報者保護制度の実効性の向上が挙げられています」
日本のGDPの57%を家計消費が占める中、日本の消費者被害・トラブルの額は年間約6.1兆円にも上る。これはGDPの約1.2%に相当する額であり、経済の好循環による持続的成長の実現のためにも、消費者の安全・安心の確保は喫緊の課題といえる。
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