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  • 2016/12/14 掲載
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現在、ほとんどの日本企業が内部通報窓口を設けている。その目的は大きく3つで、不正の「発見と抑止」、従業員からの「相談」受付、万一の事件・事故に見舞われた時の「免責」だ。しかし、これらの目的に応じて窓口を分けている企業は極めて少ない。デロイト トーマツ リスクサービス シニアマネジャーの亀井将博氏は「3つは本来的に必要となる機能が異なるものだ。それを同じ内部通報の仕組みで行うのか」と疑問を呈する。今の企業に求められるのは、グローバルレベルで窓口を統合した上で、各種通報にもきめ細かく対応していくことのできる体制作りだ。

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デロイト トーマツ リスクサービス
シニアマネジャー
亀井 将博 氏

海外進出企業は、各国法制度の違いを理解する必要がある

 デロイト トーマツ リスクサービス(DTRS)主催「グローバルホットラインサービス紹介セミナー~企業に求められる通報窓口~」で登壇した亀井氏によれば、内部通報窓口を設置している企業のうち、多いところでは年間500件もの通報を受け付けているという。

「これは1営業日ごとに2件の計算になりますが、実はそのほとんどがパワーハラスメント(パワハラ)など従業員からの相談で、解決までの時間も長引くものです。また従業員からの相談には、カウンセラーなどメンタルケアができる人間が対応に当たることが望ましいでしょう。一方、不正への対応では、最終的に係争に発展した際にも有効となる記録を残していくことが重要になります。これらを同じ内部通報の仕組みでやるべきかは疑問の余地が残ります」

 また免責については、各国の独占禁止法や米FCPA(連邦海外腐敗行為防止法)に違反したとみなされて多額の課徴金を課せられた場合に、内部通報制度があることを対外的に説明することで課徴金の減免を訴えることを目的とするものだ。

「このうち、不正の発見と免責を目的とする窓口は1つにできると思いますが、発見と相談の窓口を一緒にすることは先の理由で好ましくない。そこで求められるのが、グローバルレベルで窓口を統合した上で、各種通報にもきめ細かく対応していくための体制作りです」

 ここで亀井氏が特に注意を促したのが、海外進出企業が内部通報窓口を設置する場合。各国にはさまざまな法律や制度があるからだ。

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