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HPの革新技術「ジェットインテリジェンス」とは?
今回のジェットインテリジェンスで、HPは、同社のレーザープリンターの印刷に関わる機能を大幅に強化させた。新モデルは、別物に生まれ変わったと言っても過言ではないほどだ。
HPは世界規模で見ると、世界最大のプリンターメーカーである。その製品は日本だけでなく、全世界的に販売される世界共通のモデルとなる。そして今回、世界モデルのレーザープリンター製品に採用された新技術がジェットインテリジェンスということになる。今後のHPのレーザープリンターの根幹となる技術と言っていいだろう。
そしてジェットインテリジェンスとは、新開発のトナーカートリッジを誕生させるための技術の総称となる。このジェットインテリジェンスには、具体的には「トナー」、「トナー格納容器」、「トナー管理機能」が含まれている。
加えて「定着器の細かな温度管理・調整」といったプリントエンジンに関わる部分にも手が入れられており、 HP Ent Color M552dnには、随所に新しい技術が採用されているのである。
トナーの材質からトナーの容器まで大幅な見直し
トナーは、レーザープリンターの要だ。新開発のトナーは「ColorSphere 3 トナー」と名付けられた。トナーは溶融温度が低いほど定着時の温度が低くできるが、低温過ぎると通常時にも溶けてしまう可能性があるため、あまり低い融点には設定できない。常温での保存性に優れつつも、一定の温度に達した時点できれいに溶けてくれる必要がある。
ColorSphere 3 トナーは、その理想に近づけることに成功、従来のトナーより融点を下げることができた結果、トナーの溶解に必要な熱量を下げることにも成功、それがそのまま印刷時の省電力化に貢献している。
これにより、スリープからの復帰(印刷可能になるまでの時間)も短縮されており、その結果、印刷にかかる時間的ロスも少なくなっている。さらに各種見直しにより、プリンター全体を、よりコンパクトにすることにも成功している。
大容量印刷を可能にした新型トナー容器
この恩恵は購入時に付属するスタータートナーから、受けることが可能になっており、スタータートナーでモノクロなら6000枚、カラーは5000枚の印刷が可能だ。こうしたスタータートナーでの大容量印刷は、競合モデルに見られない大きな魅力となっている。
インテリジェンスなトナー管理機能
ユニークなのはトナーとプリンター本体を紐付けできること。現在利用中のトナーを別のプリンターで利用できないようロックをかけることが可能になっている。これにより、事業部単位、部署単位といった区分によるトナー管理が可能になる。
また、リサイクルトナーや模造トナーといった非純正品の使用も検知する。これは非常に重要だ。メーカーとしては純正品利用を大前提に「印刷品質の保証」を行っている以上、非純正品が装着されたことが判別できなければ、印刷品質について厳密には保証することができないためだ。逆に言えば純正品を使用した状態での印刷品質のトラブルに関しては、HPが全面的にサポートしてくれるという解釈でいいだろう。
HPお馴染みのプリンタードライバーにビジネス向け機能を追加
一度でもHPのプリンターを触ったことがある人なら、非常に馴染み深い感じがするのがプリンタードライバーだ。同社のOfficejetシリーズなどと、できる限りUIを統一しているのだ。このおかげで、HPのプリンターを使っているユーザー、過去に使ったことのあるユーザーであれば、悩むことなく各種設定ができるようになっている。最初の「印刷機能のショートカット」タブをのぞけば機能ごとにタブ分けされており、そのタブごとでできることが決まっているため、一度覚えてしまえば特に問題はないだろう。ありとあらゆる操作が可能なWebメニュー
プリンターのメンテナンス時に状態を把握するときに便利なのがプリンターに内蔵されたHTMLメニューであるWebメニューだ。HP Ent Color M552dnはプリントサーバ機能(Enbeded Web Server)を内蔵しており、当然Webブラウザー経由でプリンターのこのメニューにアクセスできるようになっている。このWebメニューは、プリンターの全機能にアクセス可能で、状態を確認する、設定を変更するといったことが可能になっている。しかも、リモートでプリンター本体側の操作パネルの操作まで可能になっており、非常に便利な機能と言えるだろう。またセキュリティにも配慮されており、外部からのアタックなどにも対応できる機能を搭載するなど、ビジネスで安全に利用するための機能も、しっかり押さえている。また、ファームウェアのアップデート機能により、最新のセキュリティ対応へとアップデートが可能になっているのもうれしい。そうした設定変更などもWebメニューから行える。
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