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2013年から2014年にかけて2in1デバイスの数は約3倍に
1台でタブレットとしてもノートPCとしても使える2in1は、ビジネスの現場でも、新しいコンピュータのスタイルとして大いに注目されている。インテルでは2in1市場の将来性について、かなりの手応えを感じているようだ。
その根拠の1つとして、小澤氏はコンシューマー市場での普及実績を挙げる。
「ITテクノロジー全般に言えることですが、こういった種類のものは、まずコンシューマーに浸透し、それからビジネスに来るという流れがあります。コンシューマーには興味先行で新しいテクノロジーやデバイスを購入する、いわゆるアーリーアダプターというユーザー層から製品が広く浸透していきます。一方、企業がビジネスでの導入に踏み切るには、プロダクトにしてもサービスにしてもある程度完成されている必要があり、実用面でのメリット、ベネフィットも検証されている必要があります。コンシューマーでふるいにかけられ、それを受けてビジネスでも導入が始まるという流れになっています」(小澤氏)
小澤氏は、インテルの独自調査の資料を紹介してくれた。2013年から翌年の2014年にかけて、市場で販売される2in1デバイスの数は約3倍に、主要価格帯でのモデル数は約7倍に伸びているという。
「こちらの調査はワールドワイドでの結果ですが、モデル数、特に主要価格帯でのモデル数が増えたということから、世の中に順調に普及してきているということが言えるのではないでしょうか。また、タブレットを購入するつもりだったユーザーも、2in1デバイスというものがあることを知ると、約50%が2in1を選んでいます。こういったことから潜在的な需要が大きいと考えています」(小澤氏)
では、日本市場はどうか。2014年7月には、2013年7月に比べて、出荷台数は2倍に上昇しており、その時点でコンシューマー向けノートPCの約15%を占める。さらに、コンシューマー向けタブレットユーザーの約40%が次の買い換え時に2in1デバイスを検討しているというデータもあるという。
「コンシューマー市場で2in1デバイスの波が確実に来ているところで、これが次にビジネスに来るのではないかと大きな期待しているところです」(小澤氏)
実はコスト削減効果も大きい2in1
Core Mプロセッサーを搭載した2in1を導入することで、ビジネス的には具体的にどのようなベネフィットがあるのだろうか。小澤氏がまず挙げたのは、生産性だ。
「企業のPC買い換えサイクルとして平均的な4年を基準にして、Core Mプロセッサーを搭載した2in1デバイスの性能を4年ほど前のノートPCとして比べると、オフィスにおける生産性では最大2.1倍、Webアプリケーションで最大2.3倍、ビデオ変換では最大7.6倍にもなっています。ビデオ会議などのシステムではカメラの映像をリアルタイムに変換することで高画質な映像をスムースに送受信できるようになっています」(小澤氏)
さらにシステムレベルの進化も考えると、メリットはより大きいものになる。ストレージは約4倍、無線LANは約3倍、USBは約10倍など、4年前当時と比べるとCPU以外の部分も大きく高速化している。なにより、薄くて軽い。
「さきほど挙げましたdynabook R82も、タブレット本体は約700g前後と1kgを大きく切っていますから身軽に持ち歩けます。もちろん、バッテリーも長持ちします。4年前のノートPCと比べると、電力で言えば1/4になっていますので、バッテリー容量は半分でも持続時間は2倍前後に伸びることになります」(小澤氏)
また、2in1のTCO削減効果についても、経営的にはインパクトが大きいはずだと小澤氏は言う。
「タブレットとノートPCなど、近年のビジネスマンによくある2台持ちですと、管理/配置コスト、ソフトウェアライセンス、セキュリティ費用など、台数が増えたぶんだけ余計にかかってしまいます。2in1ならば1台分ですみます。経営層にとってはリソース、コスト削減効果は無視できないほど大きいと思います」(小澤氏)
vProテクノロジー対応なら、ハードウェアベースのセキュリティ管理が可能
小澤氏はさらに、コンシューマーよりセキュリティの求められるビジネス向けには、プロセッサーが「vProテクノロジー」に対応しているかどうかを確認することも重要だと言う。vProテクノロジーは、運用管理やセキュリティに関する機能をプロセッサー/プラットフォームにハードウエアレベルで実装することにより、クライアントPCの運用管理、セキュリティ管理をリモートで円滑に行うことができるテクノロジーだ。
たとえば、vProテクノロジーの1つである「Intel AMT」では、リモートでの電源オン/オフ、OS/ソフトウェアのインストール/更新などが可能。ソフトウェア的なトラブルでクライアントPCの起動が不能になった場合でも、管理者がネットワーク経由でリモートアクセスして解決することができる。また、「Intel AT」では、モバイルデバイスが盗難に遭った際に、リモートでPCをロックしたり、暗号化されたHDDへのアクセスを無効にしたりすることができる。
小澤氏が特に強調したのが、Core Mプロセッサーや第5世代Coreプロセッサーをベースとして第5世代vProから加わった「Pro WiDi」だ。コンシューマーで進めてきたワイヤレスディスプレイの機能をビジネス向けに最適化したものだという。画面通信を暗号化することでセキュリティを確保するとともに、接続先の管理機能を追加している。隣の部屋のプロジェクタに接続してしまうといった誤接続を防ぐほか、複数台のPCを1つのアダプターに接続し、映すPCを管理者が指定するといったこともできるようになっている。
「ケーブルの断線、コネクター/アダプターが足りない、などといったプレゼン前のよくあるディスプレイ接続トラブルを防ぐことができます。仮に、ミーティングの冒頭5分くらいはそういった接続関連でロスがあるとすると、1日ミーティングが5件あれば25分、5日で2時間5分とかなり無視できない数字になります。そういったロスをなくすことで業務の効率アップにつながるのではないでしょうか」(小澤氏)
企業ユーザーにとっては、ハードウェアベースの運用管理/セキュリティ管理が実現できることのメリットは大きい。
「それを可能にする唯一のタブレットプラットフォームということで、ビジネス向けではこれまでのタブレットにはない、かなり強力なソリューションではないかと思っています。Core Mプロセッサーの特性を生かした完成度の高い、良い製品が出てきていますので、こういった製品が起爆剤になって、ビジネスの伸びを期待できる段階に来たのではないかと思います」(小澤氏)
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