• スペシャル
  • 2011/06/13 掲載

PDCA サイクルで BI 活用を劇的に促進! Excel で始め SQL Server で深める企業データ分析 【後編】

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
BI (ビジネス インテリジェンス) をうまく活用できない、といった企業は意外と多いようです。そうした中、画期的な BI の活用方法を提案して人気を博しているのが、株式会社アイエイエフコンサルティング マーケティングディレクター 平井 明夫氏のセミナー「PDCA サイクルに沿った企業データ分析入門 ~Excel と SQL Server を利用して徹底解説~」です。平井氏は、「PDCA」サイクルの考え方と Excel を利用することで、だれもがわかりやすく使いやすい BI を実現でき、さらに高度な分析も SQL Server でスムーズに行えると解説します。後編では、平井氏のセミナーから CHECK フェーズをピックアップしてご紹介します。大好評のセミナー、ここではそのすべてとはいきませんが、エッセンスを感じていただければ幸いです。

PDCA サイクルで考える企業データ分析をおさらい

photo
アイエイエフコンサルティング
マーケティング部
マーケティングディレクター
平井 明夫氏
 まず簡単に前回の復習をしておきましょう。企業の意志決定にスピードと柔軟性が求められる時代、BI の重要性はさらに増しています。しかし、企業全体で BI を活用していくのは簡単ではありません。そこでお勧めしたいのが、業務改善や生産/品質管理によく使われる「PDCA」(PLAN - DO - CHECK - ACT) という考え方を、企業データ分析、つまり BI にも当てはめる方法です。

 では具体的に、データ分析の目的を PDCA サイクルの中に位置付けるとどうなるか、改めておさらいしましょう。

 PLAN フェーズは、実行計画を立案するフェーズです。実績データの分析、作成した個々のデータの積み上げ、複数パターン間での比較、要素項目の値を変えて全体の変化を見るシミュレーションなどが行われます。目的は「計画の根拠を得る」ことです。

 DO フェーズは、計画に基づいて実行するフェーズです。日々の企業活動において蓄積される業務システムの履歴データからパフォーマンスを計測し、動向をモニタリングします。「問題の兆候を発見すること」が、ここでのデータ分析の重要ポイントです。

 CHECK フェーズは、DO フェーズで捉えた現象をより掘り下げていくフェーズです。結果に至った要因がどこにあるのかを探り、「何が問題の要因なのかを検証する」ことがデータ分析の目的となります。

 ACT フェーズは、把握した問題/課題に対して対処策を立案し、それを実行するフェーズです。さまざまなデータから使えそうな未知の関係/傾向などを探して検証し、対処策の実行につなげていきます。「対処のヒントを得る」ことがデータ分析の目的になります。

表1■データ分析の目的
フェーズデータ分析の目的
PLAN計画の根拠を得る
DO問題の兆候を発見する
CHECK問題の要因を検証する
ACT対処のヒントを得る


 こうした PDCA サイクルに沿ったデータ分析には、Microsoft Excel 2010 や Microsoft SQL Server 2008 R2 が有用であることは、DO フェーズを実例にして前編でお話しました。後編は問題を深堀りしていく CHECK フェーズを中心に、ここでの業務、Excel 2010 でのデータ分析、さらに SQL Server 2008 R2 を利用した上級編のデータ分析について解説します。

この記事の続き>> CHECKフェーズのカギを握る OLAP 分析を
            Excel で行う方法とは?

CHECK フェーズでは多角的な分析を行う OLAP 分析を利用

 前回解説した DO フェーズのデータ分析は "問題の兆候をできるだけ早期に発見する" ことが主眼なので、実際に問題がどういうものなのか、踏み込んだ分析は行われていません。DO の次となる CHECK フェーズのデータ分析では、兆候が発見された問題について、"何が要因なのかを追求" していきます。

 では、問題の要因はどのようにして発見していくのでしょう。原則は、目標と結果の比較を行って、よくないと評価されたときにどこがよくないのか、誰が、何がという要素を掘り下げていく、問題を特定していくことです。具体的には、兆候が発見された問題に関するデータについて、いくつかの角度でデータの範囲を絞りこんでいく、という行為になります。

 たとえば、担当者別で山田さんの成績が悪いということがわかりました。そこで山田さんが担当している顧客に関して見てみます。すると近畿商事がよくないということが見えてきました。それでは近畿商事で何が売れていないのか。それはノート PC だということがわかりました。これで、"山田さんの顧客である近畿商事でノート PC の売上が著しく悪い" ことが問題として特定できました。

画像
図1■要因の探索

 しかし、こういう一方的な掘り下げだけでは本質的な問題を見逃す、あるいは問題の原因というのを読み違えるケースがあります。もしかしたら、ノート PC の売れ行きは、山田さん以外の営業マンもみんな悪いかもしれません。それを確認せずにすべての問題を解決しようとすると、間違いを犯してしまいます。CHECK フェーズにおける分析は、単純な一方向だけではなく、多角的な検証が必要になります。

画像
図2■要因の検証

 こうした多角的な分析を行うデータの分析手法としては OLAP (On Line Analytical Processing) が有名です。OLAP というのは、オンラインで集計結果をすばやく表示するしくみのことです。とくに複数の次元で集計することを多次元 OLAP と言いますが、昨今では多次元分析ができるのは必須となっているので、「OLAP≒多次元データ分析のためのしくみ」と考えて差し支えありません。具体的な手法としては、「スライシング」「ダイシング」「ドリルダウン/ドリルアップ」「ドリルスルー」などがあります。

関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます


処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます