PDCA サイクルで BI 活用を劇的に促進! Excel で始め SQL Server で深める企業データ分析 【前編】
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PDCA サイクルで考える企業データ分析とは?
企業活動における意志決定を含めた業務フローは、「PDCA」(PLAN - DO - CHECK - ACT) という 4 つのサイクルでよく表現されます。たとえば経営層では、経営戦略や経営計画の立案が「PLAN」、事業部門への指示と実行が「DO」、月次などの経営会議でのモニタリングと問題点の分析の指示が「CHECK」、問題点の分析と問題点を修正するための意思決定と指示が「ACT」、というようなサイクルです。もちろん、現場に近い部門の業務も、同様に PDCA サイクルで表すことができます。
ゆえに、この PDCA サイクルの中にデータ分析業務をうまく組み込むことができれば、データ分析は企業内のあらゆる立場の人が活用しやすくなり、データ分析の効果も飛躍的に向上するのです。
データ分析の目的を PDCA サイクルの中に位置付ける
DO フェーズは、計画に基づいて実行するフェーズです。このフェーズにおけるデータ分析の目的は、日々の企業活動において蓄積される業務システムの履歴データからパフォーマンスを計測し、動向をモニタリングすることです。つまり、“問題の兆候を発見する”ことが、ここでのデータ分析の重要ポイントです。
CHECK フェーズは、捉えた現象をより掘り下げていくフェーズです。結果に至った要因がどこにあるのかアタリを付け、本当に“それが問題の要因なのかを検証する”ことがデータ分析の目的となります。
ACT フェーズは、把握した問題/課題に対して対処策を立案し、それを実行するフェーズです。ここでのデータ分析の主眼は、問題/課題に対する対処策のヒントを得るために、さまざまなデータから使えそうな未知の関係/傾向などを探して検証し、対処策の実行につなげていくことです。すなわち“対処のヒントを得る”ことが目的になります。
表1■データ分析の目的 | |
フェーズ | データ分析の目的 |
PLAN | 計画の根拠を得る |
DO | 問題の兆候を発見する |
CHECK | 問題の要因を検証する |
ACT | 対処のヒントを得る |
こうした PDCA サイクルに沿ったデータ分析は、高レベルの知識と経験が必要というわけではなく、Microsoft Excel 2010 の機能を利用すれば、現場の業務担当者でも十分に可能です。大量のデータ処理、最新データの共有といったより高度な分析が必要な場合でも、Microsoft SQL Server 2008 R2 であれば効率よく行えます。
2011 年 6 月 9 日のセミナーでは、PDCA すべてのフェーズについて、必要となる業務の洗い出し、Excel 2010 でのデータ分析、さらに SQL Server 2008 R2 を利用した上級編のデータ分析について詳しく解説します。本記事ではそのすべてをお見せすることはできませんが、入門編と言って良い DO フェーズに絞り、じっくりと解説させていただきます。