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少子高齢化問題が深刻化している昨今、地方創生が重視されている。地方創生は、地域経済の活性化はもちろん、日本全体のDXを進める可能性も秘めた重要な取り組みである。たとえば、熊本県は半導体受託製造大手である台湾のTSMCが進出し、創生が進んでいる良い例だ。しかし、地域の特性に合った適切な手段を見極められず、取り組みをうまく進められていない地域も少なくない。では、このような課題にどう取り組めば良いのだろうか。その手段や重要となる考え方、2025年開催の大阪万博が秘める可能性について、元大阪府知事・元大阪市長の橋下 徹氏が解説した。※本記事は2023年12月に開催された講演を記事化したものです。

深刻な少子高齢化を乗り越えるための「地方創生」

 少子高齢化が深刻化する日本では、生産年齢人口の不足と地方の過疎化が進む。「日本の将来推計人口」によると、2070年には15~64歳の人口が全体の約50%程度まで減少する見込みだ。

 特に地方における少子高齢化は深刻な問題であり、地域経済の衰退や産業の担い手不足、コミュニティの消滅が危惧されている。

 その課題を乗り越えるために注目されているのが、地方創生である。地方創生とは、地域の持続的な発展を目指し、その地域で安心して生活できるような社会を創り上げることだ。地方の人口減少に歯止めをかけるとともに、都市部への人口集中の是正にもつながる。

 地方創生の手段として、多くの自治体が企業誘致に注力している。実際、熊本県をはじめ企業誘致に成功している事例は複数存在する。しかし、企業誘致を成功させるためには人材確保が不可欠であり、企業誘致に適さない地方も少なくない。

 再開発で地域経済を活性化させる、という方法もある。しかし、再開発の余地がない地域では、その実行も困難であろう。

 では、企業誘致や再開発といった施策が難しい地域は、どのように地方創生を進めれば良いのだろうか。

 以降では、元大阪府知事・元大阪市長の橋下 徹氏が、地方創生を成功させるための具体的な手段、重要な考え方について解説する。

この記事の続き >>

  • ・台湾TSMCなど…熊本県で進む半導体関連企業の誘致
    ・企業誘致に適さない地域はどう地方創生を進める?2つの手段
    ・地方創生のさまざまな施策でキーとなるもの
    ・2025年大阪万博は「ソリューションビジネスの場」
    ・これからの地方に求められる「n×n」の発想

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