「攻めの法務」の始め方とは? 実践に当たって必ず押さえたい3つのポイント
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企業価値の最大化を担う「攻めの法務」が強く求められている
企業法務の機能は、大きく「予防法務」「臨床法務」「戦略法務」の3つに分けることができる。予防法務では、契約書や就業規則の整備、知的財産権の管理などで、法的な紛争発生を未然に防ぐ。臨床法務では、訴訟対応や債権回収、不祥事への対応などの「起きてしまった」紛争を解決する。この2つは、近年では「守りの法務」と呼ばれている。これに対して戦略法務では、新規事業の進出やM&Aなど、経営の意思決定を法的な側面から積極的にサポートするのが重要な役割だ。場合によっては、行政や立法府とコミュニケーションをとりながら規制緩和などを求めるルールメイキングの領域まで視野に入れる。こうした活動が「攻めの法務」と呼ばれ、企業価値を最大化する法務活動として注目され、企業は変化の激しいビジネス環境の中で、自ら変革し成長する姿勢が求められている。
その一方で、多くの企業の法務部門は、守りの法務に伴う既存業務に忙殺され、攻めの法務には、いまだ手が届かないという現実がある。かといって、このまま手をこまねいていれば、新規事業創出や事業展開などの局面において、意思決定が適法か否かを即座に判断できず、せっかくの事業拡大の機会を逃すことにもつながりかねない。
長らく「攻め」を意識してこなかった従来の法務部門から脱却し、企業の成長に貢献する攻めの法務部門にシフトするためには、いったい何から始めるべきだろうか。その果たすべき役割や体制構築のポイントを押さえつつ、具体的な施策や事例を見ていこう。
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