- 2024/09/11 掲載
米国株式市場=S&P小幅高、景気懸念が重し 銀行・エネルギー安い
Sinead Carew Shubham Batra
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種が小幅に上昇して引けた。景気減速を巡る懸念に上値が抑制された。ダウ工業株30種は下落。今四半期の業績に対する警告を嫌気して銀行株が下げたほか、エネルギー株の下落も重しとなった。
エネルギーセクターは1.9%安とS&P主要11セクターで最大の下げを記録。石油輸出国機構(OPEC)の2024年と25年の石油需要見通し下方修正を受け、原油先物が下落した。
金融大手ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は9日の投資家向け会議で、第3・四半期のトレーディング収入が10%程度減少しそうだとの見通しを示した。
10日にはJPモルガン・チェースが純金利収入(NII)見通しについて楽観的すぎると指摘した。
これを受け銀行株は幅広く売られた。
また、自動車・住宅金融サービスなどを手がけるアライ・ファイナンシャルも今四半期に信用問題が深刻化していると警告。株価は17.6%下落した。
248ベンチャーズのチーフストラテジスト、リンジー・ベル氏は「きょうの動きは主に銀行の今四半期業績予想引き下げへの懸念が材料だ。基本的に事業が減速していると言っており、JPモルガン、ゴールドマン、アライのニュースが注目された」と指摘。
また「選挙サイクルで既に不透明感がある中、世界的に景気減速の兆候が出ており、不安が増している」と述べ、9月と10月は株式市場にとって軟調な月になる可能性があるとの見方を示した。
金融株は約1%下落。JPモルガンは5.2%安、ゴールドマンは4.3%安となった。
その他の個別銘柄では法人向けIT(情報技術)大手ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が8.5%下落。S&P500で最大の下げとなった。通信機器大手ジュニパーネットワークスの買収資金調達に向け、13億5000万ドルの強制転換型優先株式を発行すると発表した。
一方、ソフトウエア大手オラクルは11.4%上昇し、S&P500で最大の上昇銘柄となった。四半期決算が市場予想を上回った。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.15対1の比率で上回った。ナスダックでも1.06対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は107億5000万株。直近20営業日の平均とほぼ一致した。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 40736.96 -92.63 -0.23 40916.50 40916.50 40417.48
前営業日終値 40829.59
ナスダック総合 17025.88 +141.28 +0.84 16949.64 17036.07 16801.13
前営業日終値 16884.60
S&P総合500種 5495.52 +24.47 +0.45 5490.51 5497.91 5441.72
前営業日終値 5471.05
ダウ輸送株20種 15609.12 -26.04 -0.17
ダウ公共株15種 1043.69 +3.78 +0.36
フィラデルフィア半導体 4680.67 +54.89 +1.19
VIX指数 19.08 -0.37 -1.90
S&P一般消費財 1501.63 +20.63 +1.39
S&P素材 570.66 +0.40 +0.07
S&P工業 1080.93 +1.89 +0.18
S&P主要消費財 894.81 +0.04 0.00
S&P金融 737.95 -7.27 -0.98
S&P不動産 281.35 +4.88 +1.77
S&Pエネルギー 649.02 -12.71 -1.92
S&Pヘルスケア 1811.90 +8.05 +0.45
S&P通信サービス 286.17 +0.29 +0.10
S&P情報技術 4101.68 +50.00 +1.23
S&P公益事業 389.05 +1.71 +0.44
NYSE出来高 9.37億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 36150 0 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 36140 - 10 大阪比
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