三菱ケミカルグループは９日、トリアセテート繊維事業を専門商社のＧＳＩクレオスに譲渡すると発表した。これにより、衣料用の繊維事業からは撤退することになる。この繊維は世界で三菱ケミカルＧだけが生産しており、今後も需要が期待できるため、「ベストオーナーの下で事業を成長させることが最善だと判断した」としている。

譲渡は来年３月で、金額は非公表。同社は収益構造改善に向け、事業の見直しを進めており今回の措置はその一環。トリアセテート繊維は、中価格帯以上の婦人服やオフィス用のユニホームなどに使用されている。自動車や航空機などに使われる炭素繊維事業は引き続き残す。

【時事通信社】