- 2024/08/22 掲載
ジャクソンホール会議22日開幕、FRB議長の利下げ発言に注目
[22日 ロイター] - 世界の主要中央銀行の首脳や経済学者らが一堂に会する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が22日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開幕する。カンザスシティー連銀が開催する毎年恒例の会議は市場の注目度が高く、過去に中銀トップの発言で金融市場が大きく動いたこともある。
以下に注目点などをまとめた。
<参加者>
近年の招待客リストは約120人に上り、その中には米連邦準備理事会(FRB)の理事・地区連銀総裁計19人の大半と、欧州、アジア、アフリカ、米州などの中銀首脳数十名が含まれている。
さらにエコノミストや学者、政府や国際機関の当局者、金融機関幹部、ジャーナリストも加わる。
<テーマ>
同会議は通常、木曜日の夕食会で始まり、土曜日の正午に終了する。主に一連の学術論文についての議論が行われる。今年のテーマは「金融政策の有効性と波及の再評価」となっている。
<FRB議長の講演>
会議の目玉は23日午前に予定されるパウエルFRB議長の講演。
投資家は、パウエル氏が9月の利下げを正当化するほどインフレが落ち着いたと認識しているかや、失業率上昇を懸念して9月に大幅利下げを行う可能性があるかどうかについて、より明確な手掛かりを示すことに期待している。
大半のアナリストは9月利下げを予想しているが大幅な引き下げは見込んでいない。
ドイツ銀行のエコノミストは「パウエル氏がジャクソンホールで特定の軌道を事前に確約するのは難しいだろう」と予想。パウエル氏は今後の政策はデータ次第としており、9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)前には多くの経済データの発表が予定されている。
<株価ショック>
ジャクソンホール開催中に市場が大きく動くことはまれだが、実際にそうなったこともある。
米S&P総合500種指数は2022年のジャクソンホールでパウエル議長がインフレ退治に伴い家計や企業に痛みをもたらす可能性を警告したことを受け、講演当日に3.4%急落した。
19年にパウエル氏が講演した日はS&P500が2.6%下落した。ただ、同氏の発言ではなく米中貿易摩擦の激化が要因だった。
09年と10年の両年は、当時のバーナンキFRB議長による講演が株価上昇につながった。09年は世界金融危機後の世界経済が間もなく回復すると予測、S&P500が1.8%上昇した。10年は必要であればFRBが追加の債券買い入れに踏み切ると表明、S&Pは1.6%上昇した。
<今年47回目>
カンザスシティー連銀は1978年以降、毎年経済シンポジウムを開催しており今年が47回目となる。82年に開催地がジャクソンホールに移った。
FRB議長の講演は91年にグリーンスパン氏が始め、目玉イベントとなった。
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