- 2024/08/21 掲載
アングル:金高騰継続か、材料多く年内に2700ドル接近も
[20日 ロイター] - 金価格が今週1オンス=2526.07ドルを付け、改めて史上最高値を更新した。年初来の上げ幅は既に460ドルに迫り、上昇率が20%を突破。今年最も効率的な運用資産の1つとなった。
先高観は依然強く、地政学的緊張や11月5日の米大統領選を巡る先行き不透明感、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始見通しなど買い材料に事欠かないことが背景にあるようだ。
金は通常、政治や経済の先行き不透明感が強まると安全資産として、資金の退避先として活用される。最近ではロシアのウクライナ侵攻や中東の武力衝突を受けて値を上げている。
米大統領選結果が見通せないことを高騰要因に挙げるのはBOCIの国際商品市場責任者アメリア・シャオ・フー氏だ。「年末にかけて2600ドルか、2700ドルに近づく可能性がある」と話している。
米ゴールドマン・サックスの商品ストラテジスト、リナ・トーマス氏は米利下げ決定に伴って西側諸国の投資資金が金市場に手繰り寄せられると予想する。「われわれは金のロングポジションに非常に大きな価値があると考えており、25年に2700ドル台に乗せるとの強気の見通しを維持している」と話す。
中国人民銀行(中央銀行)は現状、価格高騰を受けて購入を見送っているものの、4月まで18カ月間連続で外貨準備の積み増しのため金を購入していたことは地合いの下支えとなっている。トーマス氏によると、仮に金が大幅下落すると想定した場合でも、中国は価格変化に敏感なため旺盛な買いが再開する可能性が高いという。
金現物を裏付け資産とする上場投資信託(ETF)への投資資金流入も金価格の追い風となっている。金関連の国際的な調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、先週は純購入量額が8.5トンに達した。
デンマークのサクソバンクの商品ストラテジー責任者オーレ・ハンセン氏は「中央銀行の金利引き下げにより、金利に敏感な投資家がETFを通じて金(の市場)に戻ってくる可能性がある」と述べた。
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