- 2024/08/20 掲載
カナダ政府が鉄道労使に交渉妥結の努力要請 貨物輸送停止を懸念
[オタワ 19日 ロイター] - カナダ政府は19日、鉄道大手2社と鉄道技術者や車掌など約1万人が加入するチームスターズ労働組合に対して、労使交渉妥結に向けてさらに努力し、貨物輸送の全面停止を避けるよう働きかけた。
カナディアン・ナショナル鉄道(CN)とカナディアン・パシフィック・カンザスシティ(CPKC)の両社は、労使交渉が合意に達しない場合、ロックアウトを実施すると通告しており、早ければ22日から同国で初めて貨物輸送サービスが全て止められる。
カナダでは食用穀物から肥料、さまざまな加工製品まで鉄道輸送への依存度が高く、産業界からは輸送停止によって1日当たり10億カナダドル(7億3300万米ドル)の損害が発生するとの試算も出されている。
こうした中で政府の関係部門は両社やチームスターズと話し合いを続けているが、今のところ進展は乏しいもよう。チームスターズ側は、CNとCPKCが安全基準を緩めようとしていると批判し、両社はこれを否定する。
マッキノン労働相はX(旧ツイッター)への投稿で、交渉が決裂すれば全国民に影響が及ぶと強調。「各当事者は交渉合意に必要な努力を払い、貨物輸送の全面停止を防がなければならない」と訴えた。
同相には、両社とチームスターズを強制力のある調停プロセスに入らせる権限があるが、今のところ交渉を通じて溝を埋めてほしい考えだ。
PR
PR
PR