- 2024/08/19 掲載
鴻海会長、インドで同社雇用慣行を擁護 既婚女性差別報道受け
[スリペルムブドゥル(インド) 17日 ロイター] - 台湾の電子機器受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の劉揚偉会長は17日、同社がアップルのiPhoneの生産に携わる人材の採用で既婚女性を対象から外したとのロイターの報道を巡りインド政府が調査を命じたことを受け、自社の雇用慣行に問題はないとの見解を示した。
劉氏はインド南部タミルナド州チェンナイ近郊に建設した従業員向け住宅施設の開業式で「鴻海は従業員を性別に関係なく採用しているが、女性はここでの労働力で大きな比率を占めている」指摘。「私が強調したいのは、われわれがここで行っている取り組みに既婚女性が大きく貢献しているということだ」と述べ、ロイターの報道について初めてコメントした。
劉氏は開業式で報道陣から質問を受け付けなかった。
ロイターは6月、鴻海がインドの主力iPhone生産工場での人員採用で、既婚女性は未婚女性よりも家庭での責任が重いとの理由から、組織的に既婚女性を対象から外したと報道した。
鴻海は2022年、雇用慣行に若干の問題があると認め、問題に対処したと発表した。だが「雇用に差別があったとの指摘は断固として否定する」と表明した。
ロイターの報道は、鴻海の雇用慣行がテレビ討論会や新聞の論説などで議論されるきっかけとなった。モディ政権はタミルナド州政府に、この件に関する「詳細な報告書」を提供するよう命じた。
鴻海によると、同社のインドの主力iPhone生産工場の従業員は4万1281人で、そのうち3万3360人が女性。女性従業員の約8%に相当する約2750人が既婚者。
同社は、ロイターの報道で問題となったiPhone生産工場など部署別の従業員構成については公表していない。
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