- 2024/05/22 掲載
FRB高官、利下げ開始に慎重 「数カ月確認必要」とウォラー理事
[ワシントン/アメリア島(米フロリダ州) 21日 ロイター] - 複数の米連邦準備理事会(FRB)当局者は21日、利下げを開始する前にインフレ率が目標の2%に向けて低下していることを確認するため、あと数カ月待つのが賢明との見方を示した。
FRBのウォラー理事は講演で「労働市場が大幅に軟化しない限り、金融政策スタンスの緩和を支持するには、良好なインフレデータをあと数カ月、確認する必要がある」と述べた。
一方、最新のインフレ指標は「安心できる」もので、追加利上げの可能性は「非常に低い」とも述べた。
「崖から落ちるのは避けたい。それが非常に重要だ」とした上で「今のところ、3、4カ月の現状維持によって経済が崖から落ちることを示すものは見られない」と述べた。
エバーコアISIのクリシュナ・グハ副会長は「ウォーラー氏が9月利下げにオープンであることを確認する発言だ。ただ、今後数カ月でより決定的なインフレ鈍化が見られた場合に限る」と分析した。
発言を受け、市場では9月に1回目、12月に2回目の利下げが行われるとの見方が強まった。
<「もう少し待つ」>
アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、利下げが企業や家計の支出を刺激し、インフレが加速するような状況に陥らないよう、FRBは利下げ開始に慎重になる必要があると述べた。
インフレ率が「跳ね回り始めないようにすることが、われわれの利益になる。個人的には、そうならないようにもう少し待つ方がいい」と指摘。インフレ率は引き続き年内に緩やかに低下すると見込んでおり、第4・四半期に1回利下げすることが適切とした。
また「利下げを急いではいない」とし「利下げの道を歩み始めるときには、インフレ率の2%達成が明白であることを確認する必要がある」と述べた。
さらに「ここしばらく過熱した環境が続いている」と言及。このため最初の利下げの時期について非常に慎重になる必要があるとし、利下げ開始を遅らせざるを得ない可能性もあるとの見方を示した。
FRBのバー副議長も、第1・四半期のインフレ上振れは物価上昇圧力が緩和しているとの確信を深めるものではなかったと改めて述べた。
「少なくとも私にとっては、以前の予想より長い間、現状を維持する必要があるということだ」とし「政策金利の調整を考えることができる状況になるには、インフレ(鈍化)の進展継続を示す証拠をさらに確認する必要がある」と述べた。
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