- 2024/05/10 掲載
米アトランタ連銀総裁、年内利下げをなお確信 時期は不透明
[ワシントン 10日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は10日、インフレ率の低下が緩やかであっても、米連邦準備理事会(FRB)は年内に利下げする公算が大きいとの見方を示した。利下げの時期と幅は不透明とした。ロイターのインタビューに答えた。
第1・四半期のインフレ率は目標の2%を大きく上回る水準にとどまったが、今年利下げが行われることを「依然として確信している」と述べた。
「聞き取りを行った地元企業の大半は、賃金の伸びが新型コロナ前の水準に戻ると予想している」と語った。またハイテクを除くほぼ全ての企業が、価格決定力が限界に近いとの認識を示したという。
こうした状況により年内を通じてインフレの鈍化が進み、金融緩和を開始する基盤が整うだろうと予想した。ただ4月の非農業部門雇用者数は堅調な伸びとなったことに言及し、判断に時間がかかる可能性を示した。
「少なくとも2カ月(a couple of months)は分からないと思う」とし、「インフレ率が2%に戻るには一定の減速が必要とみているため、今後も鈍化が続くことを期待している。雇用の伸びは引き続き堅調だ」と述べた。
ボスティック氏は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。
<より高く、より長く>
ボスティック氏は今年後半に0.25%ポイントの利下げが1回行われる可能性が依然として高いとの見方を示した。
「インフレ率が2%に向けてより力強く進んでいるというシグナルが出るまで、ただ辛抱強く待つしかない。しばらく時間がかかるだろう」と述べた。今年何回利下げするかではなく、最初の利下げをいつ行うかを重視していると説明した。
雇用の伸びは鈍化する必要があるが、「10万人台前半」の月間の雇用増加は安定した失業率と一致するとの認識を示した。
政策金利について「より長期間、高水準にとどまる必要があり、道のりは不安定になるだろう」としながらも、物価上昇圧力は緩和すると楽観視していると述べた。
企業幹部は景気の減速を指摘しFRBの調査でも裏付けられているが、米経済がかなり好調であることは明らかで、引き続き多くの製品と雇用を生み出していると語った。
「われわれはインフレ率を2%に戻すことにコミットし、そのためにはどのような措置でも取る必要がある」と述べた。
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