- 2024/01/24 掲載
米労組加入率、昨年は過去最低の10%に低下
[23日 ロイター] - 米労働省は23日、米国の就業者に占める労働組合加入者の比率が過去最低の10.0%だったと発表した。昨年はラストベルト(さびた工業地帯)やハリウッドなど各地で労組によるストライキが相次ぎ、コーヒーチェーン大手スターバックスなどで労組結成の動きが進んだにもかかわらず、労組加入率は過去最低だった2022年の10.1%からさらに低下した。
昨年は労組加入者が2年連続で増えて1440万人となったが、全体の就業者がさらに速いペースで増えた結果、加入率が下がった。
人種別では黒人の労組加入者が12万2000人増えて過去20年間で最高となった。中南米系の加入者は12万7000人増えて2000年の統計開始以降で最高を記録。半面、白人とアジア系の加入者は減少した。
民間部門の労組加入率は前年と同じ過去最低の6%。政府部門の労組加入率は前年の33.1%から32.5%に下がった。
こうした中、労組加入者の賃金面での優位性は低下し続けている。
2007年の世界金融危機前の時点では、労組加入者の週間賃金は平均で非加入者よりも30%余り高かったが、昨年には両者の賃金差は16%未満に縮小した。労組加入者の賃金は労使交渉を通じて決められた複数年にわたる労使協定で設定される一方、労働市場の需給逼迫を背景に転職者に大幅な賃上げを提示する動きが、賃金差の縮小に影響したと考えられる。
2019年以降、労組加入者の賃金は平均で15.3%増加したのに対し、非加入者の週間賃金は22.2%増えた。
労組加入率は1970年代以降、低下の一途をたどっており、現在は30%を超えていた1950年代の3分の1未満にとどまっている。
それでも労組は強い政治的影響力を有している。特に今年の米大統領選挙の結果を左右し得る激戦州のミシガン州やペンシルベニア州では労組加入率が全国平均よりも高い。
労働省によると、ミシガン州の労組加入率は前年の14%から12.8%に低下した一方、ペンシルベニア州の加入率は前年の12.7%から12.9%に上がった。
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