- 2024/01/06 掲載
NY外為市場=ドル横ばい、強弱入り混じる米指標受け
終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は102.43と横ばい。注目されていた米雇用統計が予想を上回る好調な内容となったことを受け、一時昨年12月中旬以来の高値となる103.10を付ける場面もあった。
2023年12月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比21万6000人増と、伸びは市場予想の17万人を上回った。賃金も引き続き底堅いペースで上昇し、米連邦準備理事会(FRB)が3月に利下げを開始するという観測に疑問を投げかける内容となった。
しかし、その後発表された低調な米ISM非製造業総合指数が重しとなり、ドル指数は一時102を下抜けた。
12月のISM非製造業総合指数は50.6と前月から低下し、23年5月以来の低水準となった。とりわけ雇用指数は約3年半ぶりの低水準となり、米経済の約3分の2を占める非製造業部門の大幅な鈍化が示された。
週足ではドルは1.1%高。週間の上昇率としては昨年7月半ば以来の高い伸びとなる見通し。
バノックバーン・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏はドル指数の動きについて「実質的に変化はない。市場は確固とした方向感に欠いており、今後数日間はおそらくこの日のレンジ内で幅広い値固めの動きとなるだろう」と述べた。
LSEGによると、金利先物市場が織り込む24年の利下げ回数予想は約5回。週初には6回の利下げ予想が織り込まれていた。FRBが3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに動く確率は約66%で、先週からほぼ変わらず。
アナリストの間からは、好調な雇用統計はFRBが今後数カ月、利下げを急がない可能性を示唆したという声が聞かれた。フォレックスライブのチーフ通貨アナリスト、アダム・バトン氏は「市場は幾分先走っていると考える」とし、3月FOMCの利下げの確率については五分五分という見方を示した。
ドル/円は小幅高の144.655円。雇用統計後、3週間ぶりの高値となる145.98円まで上昇する場面もあった。週間では2.2%上昇し、22年6月以来の高い伸びを記録する勢い。
ユーロ/ドルは小幅安の1.09405ドル。週間では0.9%安と、4週間ぶりに下落し、12月初旬以来の大幅な下げとなった。
ドル/円 NY終値 144.65/144.68
始値 145.26
高値 145.98
安値 143.82
ユーロ/ドル NY終値 1.0941/1.0943
始値 1.0914
高値 1.0998
安値 1.0878
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