- 2023/12/21 掲載
インタビュー:株主還元方針を変えるつもりは一切ない=東洋建常務
[東京 21日 ロイター] - 東洋建設の時田学常務執行役員は21日、ロイターのインタビューに応じ「株主還元方針について変えるつもりは一切ない」と述べた。
2023年度の年間配当は63円。25年度までの配当性向は100%(下限50円)、26年度以降は、自己資本比率40%を目安に積極的な配当を継続する方針を打ち出している。
時田常務は、還元方針を変えるつもりはなく「取締役会でも議論し、株主への約束を簡単に変えるものではないということで理解を得ている」とした。
東洋建設の取締役会は、6月の総会後に任天堂創業家の資産運用会社ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)が提案した取締役が過半を占めている。現状の取締役会について、時田常務は「ガバナンスも向上した。新しい、外部の知見を取り入れて、会社として前向きに進歩したと感じてる」と話した。
YFOは20日、東洋建への株式公開買い付け(TOB)開始を取りやめると発表した。ただ、YFO側は「新提案を行うか否かについては現時点では確定していない」とも述べている。
これに対し東洋建では、新たな提案がなされる可能性があることを踏まえ、独立社外取締役によって構成される「特別委員会」を少なくとも2024年1月末までは残す予定としている。
YFOのTOB取りやめを受けて21日の東京株式市場で東洋建株は売られ、前日終値比8.86%安で取引を終えた。
時田常務は、YFO側が保有する3割弱の株式については「何も決まっていない。先方から話があれば株価に影響が出ない形で考える」と述べるにとどめた。他社も含めた提案は真摯に検討する姿勢にあるが、中期計画は5年間スタンドアローンで頑張ろうということを前提に作ってあると指摘した。
(山崎牧子 記事執筆:清水律子)
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