- 2023/12/21 掲載
円安進んだが、米FRBの利下げ期待などで今はドル安基調=神田財務官
Yoshifumi Takemoto
[東京 21日 ロイター] - 神田真人財務官は21日、都内の日本記者クラブで講演し、今年の外為市場のドル/円相場について「(当局と市場の)コミュニケーションなどの問題があり円安が止まらなくなったが、誰かが(為替介入)スタンバイと発言し、ドル/円が下がり、今は米利下げ期待でドル安基調」だと指摘した。
財務官は円安が急速に進行していた11月、為替介入に関して「スタンバイだ」と発言、市場では介入に対する警戒感が広がった。
<利上げ累積効果で景気は厳しくなるとの見方多い>
世界経済の見通しについては、欧米などの利上げの累積的効果で景気は厳しくなるとの見方がよく聞かれると述べた。
円安の要因について「日米金利差を材料にしたキャリートレードを含めた投機」があると指摘。「その時々で違うが、長期では潜在成長率や相対的貨幣価値などの議論がある」と述べた。
同時に、円安の構造的要因も指摘し、慢性的な貿易赤字の是正には早期の原発再稼働や脱炭素化が重要との見方を示した。「一般論として日本に魅力がなければ(円の価値が)下がるに決まっている」とも述べた。
新型コロナウイルスへの対策としての各国政府による未曾有の財政・金融政策で「フリーランチ、無責任なカルチャーが広まり、一番の被害者が日本」だとの考えも示した。
北朝鮮が多数のミサイルを打ち上げることができるのは「暗号試算で泥棒のように資金調達している可能性があるため」として「日本は問題意識が必要」と指摘した。
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