- 2023/12/21 掲載
NY外為市場=ドル上昇、安全資産買いで 英インフレ鈍化受けポンド安
主要6通貨に対するドル指数は終盤の取引で0.28%高の102.42。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を受け、来年に複数回の利下げを見込む動きが市場で広がったことから、19日までの1週間では約1.5%下落していた。
米連邦準備理事会(FRB)当局者からはその後、来年の急速な利下げの観測をけん制する発言が出ている。
マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏はこの日のドル反発について、質への逃避の動きに加え、FRBが市場の予想ほど急速に利下げするかどうかを巡る懐疑的な見方が背景にあると指摘した。
コンファレンス・ボード(CB)が20日発表した12月の米消費者信頼感指数は110.7に上昇し、7月以来5カ月ぶりの高水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想の104.0も上回った。
ポンド/ドルは0.76%安の1ポンド=1.2633ドル。一時は約1週間ぶり安値の1.2625ドルを付けた。
英国立統計局(ONS)が発表した11月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.9%と、10月の4.6%から低下し、2021年9月以来の低水準を記録。これを受けて来年の英利下げ観測が一段と強まり、投資家は24年5月までの利下げを完全に織り込んだ。
一方、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるナーゲル独連邦銀行(中銀)総裁は、インフレ抑制に向け政策金利を過去最高水準に維持する必要があるとし、将来的な利下げを期待する市場関係者に対し注意するよう呼びかけた。ユーロ/ドルは0.36%安の1ユーロ=1.0941ドル。
ドルは対円では下落し、0.14%安の1ドル=143.64円。日銀は18―19日に開いた金融政策決定会合で、マイナス金利を含む大規模な金融緩和政策の現状維持を全員一致で決めた。
INGのアジア太平洋リサーチ責任者、ロブ・カーネル氏は「(日銀が)最も避けたいのは、数カ月後に(利上げを)巻き戻さねばならない状況だ」と述べた。
ドル/円 NY終値 143.56/143.59
始値 143.36
高値 143.93
安値 143.31
ユーロ/ドル NY終値 1.0938/1.0942
始値 1.0935
高値 1.0975
安値 1.0931
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