- 2023/12/21 掲載
ダイハツ認証不正、問われる親会社の責任=「現地現物」浸透せず―トヨタ
ダイハツ工業による認証不正は、2013年以降、親会社のトヨタ自動車から新興国向け車両の生産委託が増えるに伴って拡大した。ダイハツの第三者委員会は「管理職が認証試験など現場に精通していない」と指弾しており、グループ会社を拡大させているトヨタのガバナンス(企業統治)能力も問われそうだ。
「(生産委託が)現場の負担を大きくした可能性があることを認識できていなかった」―。トヨタの中嶋裕樹副社長はダイハツとの共同記者会見で反省の弁を繰り返した。トヨタは創業以来、トップも含めて生産現場に足を運び、問題点などを確認する「現地現物」を徹底してきたが、ダイハツの現場には浸透していなかった。
トヨタは1967年にダイハツと業務提携し、98年に子会社化した。現在の奥平総一郎社長ら多数の経営陣も送り込んだ。第三者委の調査ではダイハツ社内から「トヨタの期待に応えるために、身の丈に合わない開発をリスクを考えずに推し進めた」と切実な声も寄せられた。
トヨタグループでは、日野自動車や豊田自動織機でも認証不正が発覚。長年かかって築き上げてきたブランド力に傷が付きかねない状況だ。
【時事通信社】 〔写真説明〕ダイハツ工業の試験認証不正に関して記者会見するトヨタ自動車の中嶋裕樹副社長=20日午後、東京都文京区
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