- 2023/12/16 掲載
米NY連銀総裁、市場の利下げ観測に冷や水 FOMCから2日後
[15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が今週12─13日に行われた連邦公開市場委員会(FOMC)で来年の利下げを見込み、金融市場は幅広く上昇したが、その2日後の15日には米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が市場の利下げ観測に冷や水を浴びせる格好となった。
ウィリアムズ総裁はCNBCのインタビューで「現時点では、われわれは実際に利下げについて話し合っていない」とし、利下げについて推測するのは「時期尚早」と語った。
今週のFOMC以降に発言したFRB当局者はウィリアムズ総裁が初となる。
エバーコアISIのアナリストは、ウィリアムズ氏のインタビューは「3月利下げ観測を排除することなく後退させ、パウエル議長の非常にハト派的な記者会見を受けた市場の早急な利下げ期待を鈍らせることを意図している」と指摘。このようなNY連銀総裁の発言はFRBがメッセージを「明確化」したい場合の常套手段だが、市場はNY連銀総裁の発言に小幅な反応しか示さず、これは「経済指標がより早期でより大幅な利下げを支持する方向に動いているという投資家の確信を反映している」と述べた。
NY連銀総裁の発言の影響は先物市場に一時的に見られたが、FRBが来年3月に利下げを開始するとの見方は変わらなかった。CMEグループのフェドウオッチによると、3月利下げの可能性が高いとの見方が継続。その後の利下げについては見方が分かれた。
こうした中、米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は15日、インフレ率が予想通り低下すれば、2024年の「第3・四半期には」FRBは利下げを開始できると指摘。個人消費支出(PCE)価格指数で測定されるインフレ率が24年末には2.4%程度になると見込んだ。
また、利下げには政策当局者が十分なデータを蓄積し、インフレ率が低下し続けるという確信を得るためにまだ「数カ月」必要と述べた。
一方、米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、インフレ率が目標の2%に戻りつつある中、FRBは政策の焦点を物価から雇用に移す必要が出てくる可能性があるとの考えを示した。
その上で、FRBが来年3月中旬にも利下げに踏み切るとの見方を否定せず、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は来年は現在の5.25─5.50%から低下するとの見方を示した。
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