- 2023/12/16 掲載
創業家と断絶、企業文化も引き継がず=ビッグモーター再建で―伊藤忠社長
伊藤忠商事の石井敬太社長は15日までにインタビューに応じ、再建支援を検討している中古車販売大手ビッグモーター(東京)について、支援する場合は「創業家の問題や文化など、バッドアセット(不良資産)は引き継がない」と述べ、不祥事を引き起こした創業家や企業文化とは断絶する考えを強調した。
伊藤忠は投資ファンドなどと3社連合を組み、ビッグモーターの資産査定をしている。石井氏は、自社だけでなく取引先や社員の利益になり、社会課題の解決にも貢献する「三方よし」の伊藤忠の経営理念を挙げ、「この理念が根付かないとポリシーに反する」と発言。ビッグモーターの従業員の雇用について「文化的にどのような教育がされているか。(三方よしに)付いてきてくれるか」などということが焦点になるとの考えを示した。
支援検討に名乗りを上げた理由については「伊藤忠は中古車やタイヤ販売、保険代理店などを手掛けており、ビッグモーターのインフラを使えばいろいろなことができる可能性がある」と表明。引き継ぎたい同社の資産として全国の店舗網や技術を持つ整備工を挙げ、「店の隣に保険代理店やコンビニを置くなど、複合的なサービス拠点になるかもしれない」と語った。
支援の可否を決めるのは年明けになるとする一方、「行政の指導がさらに入る可能性もあり、ビッグモーターの業績も落ちている。資金が持つのか(分からない)」と指摘し、検討を急ぐ構えを見せた。
ビッグモーターでは、修理車両を故意に傷つけ、保険金を水増し請求するなどの不正行為が横行。一部の整備工場の事業停止や民間車検場としての指定取り消し処分が下され、損害保険代理店としての登録も抹消された。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える伊藤忠商事の石井敬太社長=14日午前、東京都港区
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