- 2023/12/15 掲載
米11月小売売上高0.3%増 予想に反し増加 景気後退懸念和らぐ
[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が14日発表した11月の小売売上高(季節調整済み)は前月比で0.3%増えた。ロイターがまとめた市場予想の0.1%減に反して増加した。年末商戦が好調なスタートを切ったのが売り上げを押し上げた。
今四半期の米国経済は緩やかな成長軌道を維持し、景気後退への懸念がさらに和らいだとみられる。
好調な労働市場を背景に個人消費は耐性を示しており、来年3月にも米連邦準備理事会(FRB)が利下げに踏み切るという市場の期待に疑問を投げかけた。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「消費者の回復力はFRBがソフトランディング(軟着陸)を達成することへの信頼性を提供するが、同時にFRBが現在市場が織り込んでいるほど迅速かつ大幅に利下げする可能性は低いという市場へのシグナルとなるはず」と指摘。「経済活動が強まれば、インフレ率の低下は遅くなり、FRBの利下げ対応も遅くなる」とした。
10月は0.2%減と、前回発表の0.1%減から下方改定された。
小売売上高は大部分が商品(モノ)で構成され、インフレ調整をしていない。
11月の小売売上高の前年同月比は4.1%増だった。
前月比ではほぼ全セクターにわたって増加。オンライン売上高は1.0%増となった。10月は0.3%減だった。
自動車・部品で0.5%増となったほか、家具は0.9%増、スポーツ用品・娯楽・楽器・書籍は1.3%増となった。
衣料品は0.6%増。外食・飲食も1.6%増加した。
一方、電子機器・家電は1.1%減。建築資材・園芸用品も0.4%減少した。
ガソリンスタンドは2.9%減少。ガソリン価格の下落が響いた。
11月の自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は0.4%増。10月は横ばいとなり、前回発表の0.2%増から下方改定された。
コア小売売上高は、国内総生産(GDP)統計の個人消費の動向を反映する傾向がある。
米連邦準備理事会(FRB)は今月13日に終えた連邦公開市場委員会(FOMC)で主要政策金利を据え置くことを決定。発表した最新の経済見通しは昨年3月に始まった今回の利上げ局面を終え、2024年に利下げを始める可能性を示唆した。
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