- 2023/12/15 掲載
英中銀、3会合連続金利据え置き 金利「長期間」高止まりとの認識維持
David Milliken Andy Bruce
[ロンドン 14日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は14日、政策金利を15年ぶり高水準となる5.25%に据え置き、金利が「長期にわたり」高止まりする必要があるとの認識を改めて示した。
据え置きは3会合連続で6対3で決定。グリーン委員、ハスケル委員、マン委員の3人が0.25%ポイント引き上げを主張した。
利下げが議論されることはなく、インフレが米国やユーロ圏よりも粘着性が高い可能性を引き続き懸念した。
声明は前回に続き「金融政策は長期にわたり制約的な必要がある公算」、「インフレ圧力がさらに持続する証拠があれば一段の引き締めが必要になる」と表明した。
ベイリー総裁は「連続利上げにより、インフレ率は1月の10%超から10月には4.6%に低下した。しかし、まだ下がる必要がある。インフレ率を2%に戻すために必要な決定を下す」と述べた。
バンク・オブ・アメリカのG10為替グローバルヘッドのアサナシオス・バムバキディス氏は、金利高止まりという英中銀のメッセージは市場の早期利下げ観測を事実上はねつけるものだと指摘し、声明は前日の米連邦準備理事会(FRB)と比べて非常にタカ派だと述べた。
英中銀は、2023年末のインフレ率予測は4.5%弱と11月予想から若干引き下げたが、中長期的な懸念は根強く「米国やユーロ圏の動向と比較すると、英国では賃金インフレ率がかなり高く、サービス価格インフレ率はこれまでのところそれほど低下していない」と述べた。
ただ英国債は10月下旬以降、市場の政策緩和観測を反映した動きをしている。
英中銀は国債利回りが「著しく」低下したと指摘し、来年2月の四半期見通し更新でこれを考慮すると述べた。
金融政策委員では唯一、チーフエコノミストのピル氏が先月、市場の利下げ織り込みを「全く見当違いという感じはしない」と述べたが、その2日後にベイリー総裁が利下げ議論は時期尚早と封じている。
ベイリー総裁は14日の政策発表後の会見でも利下げを考え始めるのは時期尚早との認識を示し、借入コストがピークに達したと保証はできないとした。
「現時点で私の見解は、利下げについて考え始めるのは早すぎるということだ。さらなる進展を見る必要がある」としたうえで「これまでの進展を心強く思っている。しかし、すぐに利下げすると憶測し始めるのは時期尚早だ」と述べた。
<市場の利下げ観測は後退せず>
英中銀の政策スタンスは、金利は3年かけて4.25%にゆっくりと低下していくと想定。ただこれを受けても、来年末までに金利はこの水準に低下するとの市場の見方は変わっていない。
INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は「昨日の米連邦準備理事会(FRB)とは異なり、英中銀は明らかに市場の利下げ期待を是認するような言動には消極的だ」と指摘。ただ「FRBと欧州中央銀行(ECB)は来年3月か4月に利下げを開始するという市場の予想が正しければ、英中銀も早期に利下げに踏み切る可能性は否定できない」と述べた。
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