- 2023/12/13 掲載
欧州銀の資本バッファーが過去最高=EBA報告書
[ロンドン 12日 ロイター] - 欧州銀行監督機構(EBA)が12日公表した年次報告書(2022年7月―23年6月)によると、欧州連合(EU)域内銀行の資本バッファーは過去最高に達した。金利上昇により収益力が上がったためで、昨年は株主還元も過去最高となった。
報告書によると、3月に米国を中心に銀行セクターが混乱したにもかかわらず、普通株式等から成る自己資本「ティア1」の比率は16%と過去最高だった。EBAは、貸し出しが低迷して必要とされる資本バッファーが少なくなったこともあり、自己資本比率は基準値を余裕で上回っていると説明した。
配当と自社株買いを通じた銀行の株主還元は2022年に約630億ユーロと過去最高に達し、年初計画の480億ユーロを上回った。
ただEBAは、金利上昇によって貸し出しは減速しており、今後は収益率や資産価値に悪影響が及ぶ恐れがあるため、最良の時期は終わった可能性があるとしている。
欧州の景気低迷にもかかわらず、不良債権比率は6月時点で1.8%と、過去最低水準を維持した。収益性の尺度となる自己資本利益率(ROE)は6月時点で11%と、1年前の7.9%から上昇し、EBAが集計を始めて以来で最高となった。ほぼ全面的に純金利収入の増加が寄与した。
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