- 2023/12/13 掲載
S&Pがステーブルコインのリスク判断開始、テザーなどが低評価
[ロンドン 12日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルが、法定通貨などと値動きが連動するように設計された暗号資産(仮想通貨)の一種、ステーブルコインのリスク判断を開始し、最も取引量が多い「テザー」などに低い評価を与えた。
ステーブルコインはある程度安心できるとの見方から人気が高まったが昨年、「テラUSD」と関連暗号資産「ルナ」の大暴落でその脆弱性が浮き彫りになった。
こうした中でS&Pは、ステーブルコインを5段階(1が最高、5が最低)に点数化。政府や企業に対する「トリプルAからデフォルト圏」までの格付けと別の制度としたが、資産の質や問題点を重視して判断を下す手法はほぼ同じで、格付けのように引き上げや引き下げも行う。
S&Pのアナリスト、ラポ・グアダグヌオロ氏は、ステーブルコインを決済手段として利用する動きが広がってきたことを、点数評価を始めた主な理由として挙げた。
テザーと、取引量第4位の「ダイ」の点数は下から2番目の4で、取引量第5位の「トゥルーUSD」は最下位の5になった。
S&Pによると、テザーの低評価は準備資産の保有先に関する情報不足が反映されている。また準備資産の大半は米国債や現金同等資産だが、よりリスクの高い資産にも「相当なエクスポージャー」があるという。
トゥルーUSDの場合は、準備資産の内容や信頼できる機関がこれらの資産を保有しているのかどうか、何の情報もないと指摘された。
一方取引量第2位の「USDコイン」や、「ジェミニダラー」「パックスダラー」は上から2番目の2に位置づけられた。
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