- 2023/12/12 掲載
賃金と物価で「正の循環」を=24年春闘に意欲―金属労協事務局長
自動車、電機など五つの産業別労働組合で構成する金属労協の梅田利也事務局長は12日までにインタビューに応じた。来年2月に本格化する2024年春闘について「後に振り返った時、賃金と物価が(ともに上昇する)正のスパイラル(循環)を取り戻すことができた年と言えるようにしたい」と述べ、23年春闘を上回る大幅な賃上げの獲得に意欲を示した。
金属労協は24年春闘に向け、基本給を底上げするベースアップ(ベア)分の要求基準を「月1万円以上」と設定。ベア額を明示する現行方式になってから過去最高水準の要求を掲げた。
梅田氏は今回の基準について「日本のものづくり産業の一角を占める金属産業として、経済の底上げにもつながるよう、インパクトのある数字にした」と説明。傘下のベア獲得組合数が8割近くに上った23年春闘を踏まえ、24年は「少なくとも前年実績以上。中堅・中小(労組)も含め全体が引き上がることが大事だ」と強調した。
政府は、中小企業が労務費の上昇分を取引価格に転嫁して賃上げ原資を確保できるようにするため、発注者に求められる行動の指針を11月に公表した。梅田氏は「目に見えるものができたことは大きい。最大限活用したい」と歓迎。適正な金額で商品・サービスを購入してもらう価値観の醸成に役立てる考えを示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える金属労協の梅田利也事務局長=7日午後、東京都中央区
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