- 2023/12/08 掲載
午後3時のドルは143円後半、円暴騰後の動揺収まらず
[東京 8日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅ドル安/円高の143円後半で取引されている。この日の東京市場でもドルは142円台まで2円近く円高が進行するなど、不安定な値動きが続いた。
ドルは前日夕方に146円後半から下げ足を早め、日本時間8日未明に一時141.60円まで5円超下落した。1日の下落率は一時、今年最大の3.8%に達した。
日本時間8日朝、ドルは144円前半まで切り返したが、米雇用統計の発表を今夜に控えて市場の不安心理は払しょくしきれなかったもようで、午後には142円半ばまで反落した。
急速に円高が進むきっかけとなったのは、前日の植田和男日銀総裁の発言。午前の参議院財政金融委員会で「年末から来年にかけ一段とチャレンジングになるというようにも思っている」などと発言し、政策修正が近いとの思惑が一気に広がった。
さらに、長期化した円安見通し下で形成された円売りポジションの巻き戻しが、円高に拍車をかけた。「年末が近くなってドル買い注文が乏しくなっていたタイミングで円が急上昇し始め、残っていた買いが一気に引いたことで、円高に歯止めがかからなくなった。クロス円で個人のストップロスを巻き込んだことも響いたようだ」(国内金融機関)という。
ふくおかフィナンシャルグループのチーフストラテジスト、佐々木融氏は「マイナス金利の解除を手掛かりとする円高は、これでほぼ終了したのではないか。焦点は再び米国に戻り、来週の消費者物価指数(CPI)や連邦公開市場委員会(FOMC)、ドル安の行方に移った」と話している。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 143.91/143.96 1.0782/1.0786 155.21/155.22
午前9時現在 144.24/144.25 1.0789/1.0790 155.63/155.64
NY午後5時 144.12/144.14 1.0792/1.0796 155.56/155.59
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