• 2023/12/01 掲載

兼業代理店制度、不正の温床=損保のチェック甘く―ビッグモーター問題

時事通信社

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中古車販売大手ビッグモーター(BM、東京)の不正請求は、副業として保険を販売する「兼業代理店制度」が温床になった。本業の中古車販売のほか整備工場を営む傍ら、兼業代理店として自動車保険を販売。損保会社は大口取引先のBMに遠慮し、不正請求のチェックが甘くなっていた。

日本損害保険協会によると、国内の損保代理店15万6152店(2022年度末)のうち、自動車販売・整備を行う兼業代理店は8万5521店と約55%を占める。このうち、年間約200億円もの自動車保険料を稼ぐBMのような大型代理店には、複数の損保会社が乗り合いして競争は激しくなる。

というのも、自動車保険の契約は代理店経由が約9割を占め、損保会社にとっては大きな収益源。BMは紹介された事故車の台数に応じて、保険契約を配分し、損保各社を競わせていた。

特に損害保険ジャパンは、不正請求が疑われる事案が増える中でも「BMの反発を恐れ、厳正な対応が取れなかった」(白川儀一社長)。売り上げ維持を優先して不正に目をつぶった結果、保険契約者は保険等級がダウンするなど不利益を被った。

兼業代理店の制度そのものには、自動車購入や車検と同時に保険に加入できる利便性がある。損保協の新納啓介会長(あいおいニッセイ同和損害保険社長)は「顧客に便利なスキームを根底から否定するものではない」と強調する。

これに対し、保険業界の動向に詳しい福岡大学の植村信保教授は「大型の兼業代理店をチェックする機能を導入すべきだ」と規制強化の必要性を訴える。金融庁はBMや損保ジャパンへの立ち入り検査で浮かび上がった問題点を検証し、「必要な法改正や対応を検討したい」(監督局幹部)との考えを示している。

【時事通信社】

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