• 2023/11/28 掲載

「銀行業」変革に尽力=金融のデジタル化推進―三井住友FG社長の太田氏

時事通信社

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25日に65歳で死去した三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は、「カラを、破ろう。」と銀行業の枠にとらわれない新分野への挑戦を従業員に呼び掛け、デジタル技術を活用した新たな銀行像を探った。社内で「優れた大局観と戦略眼を持つ」(関係者)と慕われ、2024年3月期には過去最高となる9200億円の連結純利益を計画していたが、成果を見届ける前に旅立った。

投資銀行業務の経験が長く、プロジェクトファイナンス(事業向け融資)に草創期から携わった第一人者として知られた。19年4月の社長就任後は、社内に「過去の延長線上に解はない」と、変革への挑戦を訴え続けた。

在任中は持ち前の行動力でトップ交渉を展開。22年には、SBIホールディングスとの資本提携、カルチュア・コンビニエンス・クラブの「Tポイント」と傘下の「Vポイント」の統合を合意に導いた。日銀の金融緩和政策の転換を見据え、アプリで振り込みやキャッシュレス決済、ポイント管理などができる個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」を23年春に開始し、「金利のある世界」で稼いでいく土台を築いた。

海外展開では、インド、ベトナム、フィリピンで現地金融機関に出資。米証券大手ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの資本・業務提携も実現し、米投資銀行事業を強化した。

「社長製造業」を掲げ、中堅・若手社員の面白いアイデアがあれば、社内ベンチャーを立ち上げて発案者を社長に抜てきし、次世代の育成に力を入れた。社外でも「人望が厚く、人気がある」(金融関係者)と評された。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見する三井住友フィナンシャルグループの太田純社長=6月13日、東京都千代田区

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