[フランクフルト ２７日 ロイター] - 欧州中央銀行（ＥＣＢ）のラガルド総裁は２７日、ユーロ圏のインフレ圧力は予想通り緩和しているが、物価上昇との戦いはまだ終わっていないと述べた。賃金の伸びは依然として強く、先行きが不透明であるためとした。

ラガルド氏はブリュッセルで開かれた会議で「今は勝利宣言をする時ではない」と断言。「われわれはインフレに影響を与える様々な力に注意を払い続け、物価安定という使命にしっかりと集中する必要がある」とした。

インフレ圧力緩和は続くとみられるが、全体的な物価上昇は今後数カ月で加速する可能性があり、中期的な見通しには「かなりの不確実性」があると述べた。

高金利と成長鈍化、雇用市場の軟化が、インフレ率の２％回帰に貢献すると述べる一方、賃金の伸びは依然として急速であり、経済は今後数年、強い状態が続くとした。

政策についてラガルド氏は、現在の金利が「十分に長く」維持されれば物価安定の回復に寄与するという従来のガイダンスを繰り返した。

また、パンデミック緊急購入プログラム（ＰＥＰＰ）の再投資を早期に終了するか否かを近く議論する可能性があると指摘。ＥＣＢのバランスシートについては、将来的に過去数年間の規模より縮小するとしながらも、金融危機以前の水準まで縮小することはないとの見通しを示した。