- 2023/11/25 掲載
アングル:ブラックフライデー、物価高と金利上昇が重し ガザ抗議活動も
[ニューヨーク/ロンドン/ローリー(米ノースカロライナ州)24日 ロイター] - 米国発の恒例の大規模セール「ブラックフライデー」が24日に始まり、小売業にとって重要な年末商戦が幕開けした。ただ米国では、長引くインフレと金利上昇で消費者が圧迫される中、年末商戦の消費の伸びは過去5年間で最小になると予想されており、多くの大手小売業者が年末商戦向けの臨時雇用を手控える動きなどが出ている。
証券会社のTDコーウェンは、今年のブラックフライデーの客足は横ばいにとどまると予想。米国の年末商戦の消費の伸びの予測を2─3%と、従来の4─5%から引き下げた。
小売企業でつくる全米小売業協会(NRF)は、今年のブラックフライデーに米国の店舗のほか、オンラインで買い物をする人は過去最高の1億3070万人にのぼると予想。NRFが11月初旬に8424人の成人を対象に実施した調査によると、 今年の年末商戦の消費予定額は平均875ドルと、昨年から42ドル増加した。
ただ、ブラックフライデー当日の客足は鈍く、米小売り大手ウォルマートのコネチカット州ニューミルフォードの店舗の駐車場は、午前6時時点で半分しか埋まっていなかった。
インフレが消費の重しになる中、ハーレムに住む主婦のジル・リゾさんは「商品を2つ買った時点ですでに100ドルの出費になり、ブラックフライデーは高い買い物になってしまった」と嘆く。
<グローバル化とオンライン化>
米国の感謝祭の翌日の金曜日に実施される ブラックフライデーは米国発のイベントだが、オンライン化と共にグローバル化が進んでいる。
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の調査によると、フランス、イタリア、スペインではブラックフライデーに衣料品を買う予定の買い物客が最も多く、次いで電気製品が多かった。消費予定額はフランスの平均が295ユーロ(322ドル)。この65%がネットショッピングでの消費になるという。
ネットショッピングの台頭で、ブラックフライデーはもはや1日限りのイベントではなくなっており、百貨店大手メーシーズからネット通販大手アマゾン・ドット・コムに至るまで、多くの小売業者は早くて10月にセールを開始。クリスマスが近づくころに一段の値引きを実施することもある。
<米各地で抗議デモ>
この日はパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルが4日間の戦闘休止を開始。ハマスによる人質の解放が始まった。こうした中でも、イスラエルとハマスの軍事衝突を巡り米各地で散発的な抗議行動が見られた。
テキサス州ダラスのショッピングモールで、床に寝そべり死んだふりをする「ダイ・イン」で抗議の意を示すデモが行われたほか、ノースカロライナ州ローリーではデモ隊がショッピングモールを一時閉鎖。ボストンでは、抗議活動参加者がイスラエルサッカー協会(IFA)の主要スポンサーだと指摘する独スポーツ用品大手プーマの店舗前で抗議活動を行った。プーマはいかなる政治的方向性や政府も支持していないとしている。
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