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  • 2017/02/24 掲載

ホンマでっか!?TVの武田邦彦氏が教える「疑う力」を独学で身につける方法(2/2)

柔軟な発想を生み出すには「先入観」にとらわれないこと!

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 インターネットのない時代でしたら、世間で何か事件や騒動が起きていたら、「ああ、また何かやっているな」という程度で終わったものが、今はネットがあることによって、一つの騒動に対していろいろな情報を入手することができるようになりました。その点が昔と大きく違う点の1つですが、これに加えて誰もが意見し、バッシングできるようにもなったのは、ネット社会の弊害の1つととらえるべきかもしれません。

 今の時代、パソコンやスマホさえあれば、誰もがコメンテーターになれる時代となりましたが、再起不能になるまで叩き続ける今の風潮は、決して健全な社会ではないと思います。一部の芸能人の方のなかには、「私はネットを見ない」と公言されている方もおられます。自分にとってマイナスなことが書いてあるのを見ないという方法も、自己防衛策の1つと考えるべきでしょうが、実に由々しき問題です。

「疑う力」を独学で身につける方法

 それでは多くの人が植えつけられている先入観、とくに学者などの権威のある人の意見が真実かどうか見抜く方法はあるのでしょうか。

 もちろんあります。とくに東日本大震災直後に起きた福島第一原発の事故以降、テレビや新聞が真実を言っていないことも、その多くは気がついたことからして、従来のメディアは期待できないという空気感が漂っている世の中です。

 まずは大手メディアが発信している情報から、「得をするのは誰か」を考えます。たとえば高血圧の定義は昔と今では大きく違います。昔よりも今のほうが高血圧だと認識される数値は下がっているのです。

 それはなぜかと考えたときに、「この情報で得をするのは製薬会社などの医療に従事した関係者たち」だと考えます。なぜなら高血圧を抑制する薬が多く広まることで、彼らの懐が潤うからです。

 けれども考えてみてください。歳を経れば減るほど、肉体は衰えていきます。60代、70代の人が20代の若い人と同じ筋肉、同じ血流であるはずがありません。若い頃は誰もが血管が柔軟で、血管壁もきれいな状態を保っているわけですから、血液が流れやすく、血圧も低い数値となるのです。

 ところが、中年、中高年となっていくと、若い頃と比べて血管が固くなり、血管壁も傷ついている。若い頃と同じ圧力で血液を体のすみずみまで流そうとすると、末梢の部分まで血液が行き渡らなくなります。

 そこで、心臓は圧力を上げて血液を流そうというのですから、年齢が上がると血圧が高くなってしまうのは当然なのです。

 ところが、病気の人はここに含まれませんが、健康な高齢者まで血圧が基準値よりも高くなろうものなら、「あなたは高血圧ですから」と言われて、降圧剤をもらうことになります。無理に血圧を下げて命を落とす危険性だって、十分あり得るのです。

 昔、最高血圧が160mmHgのときには、降圧剤の販売市場は3000億円といわれていました。ところが、最高血圧を140に下げた途端に6000億円となり、現在の130未満となってからは1兆円を超えました。血圧の基準値を下げれば高血圧の患者が増え、その結果、製薬会社が儲かるというわけです。

操作された情報は見抜ける

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マツコ・デラックスとの対談も収録『先入観はウソをつく』(武田邦彦 著)
※クリックするとアマゾンのページにジャンプします。
 拙著『エコと健康の情報は間違いがいっぱい!』(廣済堂新書)でも触れていますが、高血圧に限らず、コレステロール、生野菜、タバコ、メタボ、サラダ油など、健康に関するその多くは、誤った情報も数多く出ています。もちろん健康に限らず、政治、経済、科学…と多岐の分野にわたって、発信者が操作している情報というのは数多くあるものです。

 こうした情報の真偽をどうやって見極めるべきか。幸いにも今はインターネットを正しく使えば、調べることはいくらでもできます。たとえネットでは調べられなくても、国の機関や学者らが過去と現在でどう発言が変わっているか、または一本筋が通っているのか、テレビや新聞などで過去をたどって調べていけば、その情報の何が正しくて何が間違っているのかを見極められるようになるはずです。
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