- 2009/11/05 掲載
【セミナーレポート】COBOL資産を活かしたシステム構築や、レガシーマイグレーションの多彩な処方箋を提示
10/22 東京システムハウス主催 MMSフォーラム2009
合意をとってから開発することがポイント
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続いて、「ITは企業変身の起爆剤!~基幹システム更改のシナリオと秘訣」と題し、三菱UFJリサーチ&コンサルティング 企業システム室 室長 藤川 眞 氏が基調講演を行った。
藤川氏は、商社において20年間にわたってさまざまな業務の仕組み改善を経験後、「業務を見える化する」コンサルティング手法を確立。現在は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングにて、さまざまな企業のコンサルティングを担当している。
同氏は、まずITシステムの寿命を表すグラフを示し、開発中は機能レベルは上がるがコストも積み上がっていくと説明。開発が完了してシステムが稼働を始めたときからコストの回収が始まり、ある時点でシステムによって得られるメリットがコストを上回るポイントがくると説明。システム開発においては、このコスト回収期間をできるだけ短くすることが重要であると説明した。
続けて、自身のコンサルティング事例を引き合いに出しながら、レガシーシステムのマイグレーションの勘所を解説。これまでの資産を精査し、ツールを活用して必要なものと必要でないものを判断し、必要な資産だけを移行することが重要であると説明した。また、言語の自動変換時には、新たな機能追加や修正を同時に行わないことも大切だと指摘。
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システムを変えることは、仕組みを変えることであるとも説明。業務調査票を使って業務を調査し、業務全体の流れを俯瞰する図(業務俯瞰図)を作成することで、業務全体のボトルネックを見つけ出す手法を紹介した。
また、開発前に必ず新旧の業務俯瞰図を現場の社員に見てもらい、「目的に合っているかどうか(合目的度)」「運用ができるかどうか(可用性)」を確認し、社内の合意をとってから開発に着手することが大切であると説明し、講演を締めくくった。
多くのメリットがある仮想化を利用したマイグレーション
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同社は、日本紙パルプ商事の100%子会社で、紙パルプ業界専門のシステムベンダーである。親会社の日本紙パルプ商事のシステム開発・運用を行うのに加え、全国の紙卸売業および紙物量関係企業のシステム開発・販売などを行っている。1972年から、紙卸売業のシステムを販売してきたが、2000年にハードウェアをオフコンからPCサーバに切り替えてから、問題が発生するようになったという。
「オフコンからPCサーバに切り替えてから、故障が頻発するようになりました。しかも、原因がハードなのかOSなのか、あるいは環境なのか、明確にわからないケースが多かったのです。このため、社員が全国を飛び回って保守を行う必要がありました」(田中 氏)
この課題を解決するため、2004年からインターネットデータセンター(IDC)で、ブレードサーバとVMwareの組み合わせによる仮想化を導入。その結果、システムの安定稼働、ユーザーサポートの減少、システム導入期間の短縮、TCOの削減に成功したという。
後半では、現在進行している仮想化を利用した基幹システムのマイグレーションについて説明。販売管理や経理などの基幹系システム、情報系のサーバなど、すべてのシステムを仮想化することで、情報処理コストを低減し、全社のシステムをシームレスに連携させることを目指しているという。
最後は、各種ソフトウェアが仮想サーバを正式にサポートすれば、仮想化によるシステム化がさらに促進されるだろうとして、セッションを終了した。
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冒頭では、MMSが今年で15年目を迎える歴史のあるサービスであり、多くの実績と経験、ノウハウ、ツールが蓄積されていると強調された。また、一般的なマイグレーション手法では、垂直統合されて安定稼働しているレガシーシステムを個別最適でマイグレーションするため、既存システムよりも安定性が低下し、結果的に保守・運用コストが増大するケースが多いと指摘。それに対し、MMSでは、全体最適でマイグレーションを行うため、システムが安定し、運用コストの増大もないと説明した。
MMSの取り組みとしては、分析・設計フェーズから変換フェーズにいたるMMSコア・サービスの流れが説明された。特に重要なポイントとして「プロトタイプ工程」と「手修正作業」、MMSにおける変換率の考え方などについて詳細な技術解説が行われた。
パートナーとの協業によるソリューションとしては、ログを一元管理して検索を可能にするBSP社との協業ソリューション、インフォコム社の帳票ツールと連携した電子帳票ツールへの移行ソリューション、ウイングアーク社とのオンライン帳票マイグレーションサービスなどが紹介された。
最後に、ACUCOBOLユーザー向けに「ACUユーザ・フォローアップ・プロジェクト」が紹介された。これは、ACUシステムの現状分析から、新しいシステムの提案までを行うサービスである。ACUシステムの今後を検討しているユーザーにとっては、価値のある情報であった。
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まず、AJTOOLの概要を説明。東京システムハウスの15年のマイグレーションサービスの過程で作成されたプログラム群がAJTOOLであり、マイグレーション後のCOBOLアプリケーションの運用に役立つさまざまなノウハウが凝縮されていると説明された。
後半では、メインフレームの機能がAJTOOLによってどのように代替されるかが詳しく解説された。最初に、メインフレームにおけるジョブ入力から実行までがAJTOOLでどのように代替されるかが解説され、以後、EXEC文、カタログ式プロジージャー、DD文などについて、メインフレームの機能とAJTOOLの代替機能を対応させながら機能解説が行われた。
また、現在開発が進んでいるAJTOOLの次期バージョンについての最新情報も披露。64bit環境の正式サポート、各社ミドルウェア製品との連携機能などの強化ポイントが紹介された。
最後には、ACUCOBOLユーザーに向けて、ACUCOBOLとMicro Focus製品との対応情報、Micro FocusのACUCOBOL互換対応の情報などが提供されて、セッションを終了した。
を実現できるオラクルのソリューション
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冒頭ではメインフレームからオープン環境へ移行する代表的な手法について触れ、TCO削減効果の高い手法として既存資産を再利用するRe-Host(リホスト)、アプリケーション最新化の効果が最も高い手法としてスクラッチで再構築するRe-Build(リビルド)があると説明された。
ただし、それぞれにメリット/デメリットがあるため、双方のよいところだけを享受できるソリューションが理想であるとし、それを実現するために必要となるのが、COBOLとJavaの両方をカバーできるミドルウェアであり、オラクルの提供するWebLogic(ウェブロジック)とTuxedo(タキシード)、およびOracle Databaseの組み合わせが、こうした役割を提供できると説明した。
続けて、Tuxedoの特長や技術情報が説明された。Tuxedoは、異種・分散環境における多層クライアント/サーバ・アプリケーションを構築するためのミドルウェアのこと。開発者はC、C++、COBOLでビジネスロジックをコーディングすれば、ハードウェアやネットワーク、データベース環境に依存することなく分散アプリケーションを開発・管理することができるという。
後半では、IT基盤に求められるシステム要件として、高性能・高信頼性、高可用性、スケーラビリティなどについて言及され、オラクルが提供する製品・ソリューションが、こうした要件を高いレベルでクリアしていることが強調されてセッションを終了した。
Converged Infrastructure戦略で支援
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冒頭に、HPの立ち位置として「ITインフラに軸を置きながら、レガシーマイグレーションを支援していく」(北元氏)と説明。世界的な企業として果たすべき役割を考えながら、ポストマイグレーションを促進していきたいと説明した。
続けて「クラウド」に言及。将来、企業がクラウドに対応したIT基盤へ移行するためには、「見える化」「標準化」「統合化」……といったステップを踏む必要があると説明し、その実現のためにHPが描く戦略が「Converged Infrastructure」であると説明した。
「Converged」は「集束した」といった意味で、「Converged Infrastructure」はストレージ、サーバ、ネットワーク、管理ツールなどをすべて集束したインフラという意味だ。「これまで業務やアプリケーション主体でITインフラも構築してきた為、企業のITインフラはアプリケーション毎にサイロ化してしまった。結果、柔軟性を失い、コスト高を招いた。しかし今は技術の進化により、ITインフラを統合化、仮想化、自動化して効率的な低価格のアプリケーションにも柔軟に対応するITインフラの構築が必須となってきている。」と新しいITインフラの持ち方を説明した。そして、このConverged Infrastructureの実現に向けたHPのアプローチや製品・サービスのポートフォリオが紹介された。
後半では、Converged Infrastructureを実現するサービスの1つとして、AMod(Application Modernization)サービスを紹介。これは、レガシーシステム上のアプリケーションをモダナイズ(最適化)することで、俊敏なITを実現するサービスのことだ。また、そのアセスメントとして、長年使ってきたメインフレームのシステムが本当に必須なのかを、客観的な視点による「ビジネス」「業務機能」「技術」「財務」の4つの観点での現状分析を行い、ロードマップを策定し、それにしたがって最適化を実施することが紹介された。
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