トヨタ自動車の生産プロセスを研究し、そこから導き出された生産方式に「リーン生産システム」がある(Womack, Jones, and Roos 1990)。これは、生産プロセスから非効率な部分を限りなく排除する、まさに贅肉を切り落とした生産システムを意味している。これと同様に、購買プロセスに目配りしたならば、購買プロセスにおける非効率性が浮かび上がり、それらの贅肉部分を切り落とすことができるものと思われる。しかし、購買プロセスにおける非効率な部分については、過去のマーケティング研究においてほとんど議論されていない。ウォーマックとジョーンズは、顧客の購買プロセスから非効率な部分が排除された消費を「リーン消費」と呼んでいる(Womack and Jones 2005)。
◆参考文献
●Kotler, Philip (2001), Marekting Management, Millennium Edition, Prentice-Hall
(恩蔵直人監修、月谷真紀訳『コトラーのマーケティング・マネジメント』ピアソンエデュケーション、2001年).
●モバイル社会研究所(2005)『モバイル社会白書2005』NTT出版。
●総務省(2006)http://www.soumu.go.jp/
●Womack, James P. and Daniel T. Jones (2005),"Lean Consumption," Harvard Business Review,March, pp.58-68.
●Womack, James P. and Daniel T. Jones, and Daniel Roos (1990), The Machine that Changed the World, Rawson Associates(『リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える』経済界、1990年).