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  • 2023/10/06 掲載

Chief Automation Officer(最高自動化責任者)とは?テクノロジー進化で増える新職種

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ビジネス環境の変化やテクノロジーの進化とともに新しい職種が誕生するのが世の常であるが、生成AIなどの新興テクノロジーの台頭により、2023年以降はこれに関連する新職種の需要が急拡大するという。その中でも特に注目されている新職種が「Chief Automation Officer(最高自動化責任者)」だ。米上場企業でもこの職種を新設する動きが散見されるようになっている。このほか、どのような新職種が誕生し、どんな需要が高まっているのか。労働市場の今後を占う動きを見ていこう。
執筆:細谷 元
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今後どのような人財が求められるのか
(Photo/Shutterstock.com)

テクノロジーの進化と労働市場の変容

生成AIで1分にまとめた記事要点
 テクノロジーの進化とともに、新たな職業が登場し、労働市場は大きく変容しつつある。その変容をもたらしている直近の要因の1つは、ChatGPTなどの生成AIだ。このテクノロジーにより、企業はAI活用の取り組みや投資を拡大、一方、労働者側もAI関連スキルの習得を加速している。

 スタンフォード人間中心・人工知能研究所(HAI)が発表した2023年AI指数レポートによると、2022年には米国だけで、AI関連の求人が80万件近くに上ったことが明らかとなった。米国ではこの数年、求人全体に占めるAI関連職の割合も右肩上がりで増加している。求人全体に占めるAI関連職比率は、2016年に1%に満たないものだったが、2018年に1.5%、2021年に約1.8%、そして2022年に初めて2%を超えた。

 同レポートでは、米国におけるAI関連求人で、具体的にどのようなスキルが求められているのかも分析されている。

 トップは、AI開発で最も人気のプログラミング言語「Python」だ。2022年の米労働市場では、Pythonスキルを求める求人数は約30万件だった。

 このほか、コンピュータサイエンス(求人数、26万件)、SQL(18万5000件)、データアナリシス(16万件)、データサイエンス(15万8000件)、Amazon Web Services(15万5000件)などを求める求人が多いことも判明した。

 またビジネスSNSリンクトインは、2023年3月23日時点のデータとして、同プラットフォーム上での説明文に「人工知能」というワードが記載された求人件数が10万件以上であったと報告している。さらに、同プラットフォーム上で「GPT」というワードが記載された求人は2021~2022年にかけて51%増加したという。

 人材側もAIテクノロジーの普及に敏感に反応し、関連スキルの習得を進めている。リンクトインによると、同プラットフォームのユーザープロフィール欄におけるAI関連スキルの追記が顕著に増加。増加率では、ChatGPTのようなチャットボット開発に必要な「質問応答」スキルが最大の伸び率となり、前年比で332%の増加となった。

 このほか、「分類」が43%、「レコメンドシステム」が40%、「コンピュータービジョン」が32%、「自然言語処理」が19%増加した。

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少なくとも1つの機能またはビジネスユニットに組み込まれるAIの能力
(出典:マッキンゼー調査をもとにしたリンクトイン資料)

新職種の中でも特に注目されるCAOとは

 生成AIの普及によって、プロンプトエンジニアという新職種が誕生したことに注目が集まっているが、新興テクノロジーの普及は、これ以外にもさまざまな新職種を生み出しており、今後さらに注目度と需要が高まっていくことが予想されている。

 その1つが「Chief Automation Officer(CAO=最高自動化責任者)」だ。

 グローバル求人プラットフォームMultiplierは、2023年以降の求人トレンドレポートで、10の新興職種が台頭するだろうとの予想を展開、その中でも特にCAOの重要性を強調している。また、Venturebeatも2023年9月5日に発表した2023年のテック求人トレンド記事で、CAOをトップで扱っており、海外メディアでの注目度が高いことがうかがえる。

 自動化を主導するCAOという職種は、数年前からその重要性が説かれ始めていたが、実際に広く普及することはなかった。しかし、生成AIの台頭により、事務作業、マーケティング、法務、リサーチなどいわゆるホワイトカラー/プロフェッショナルワークにおける自動化が実現しつつあり、体系化された自動化が必要であるとの認識の広がり、CAOの需要が高まるだろうと予想されているのだ。世界経済フォーラムは、2025年までに8500万の仕事が自動化によって失われると予想している。

 これに関連して、マッキンゼーは、2045年ごろまで現在の仕事の約半分が生成AIによって自動化されるとの予想を展開。自動化により生産性が向上することで、世界経済に年間2兆6,000億~4兆4,000億ドルの価値が付加される可能性があるという。

 自動化による影響が大きいのは、マーケティング/営業で、その額は7,600億~1兆2,000億ドルに上る。このほか、ソフトウェアエンジニアリング(5,800億~1兆2,000億ドル)、カスタマーオペレーション(3,400億~4,700億)、プロダクト/R&D(2,300億~4,200億)がジェネーティブAIによる自動化の恩恵を受けるとされる。

 たとえば、マーケティング/営業では、生成AI活用によりパーソナライズされたコンテンツ作成が可能となり、マーケティング機能の生産性が5~15%増加、また営業の生産性も世界的に3~5%向上すると推計されている。 【次ページ】CAOの役割とは? AIOpsとの関係
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