DXが「苦しい」のはクラウド運用のせい? 複雑化を恐れずにクラウドを使い倒すには
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DXに不可欠なクラウド活用と複雑化するITインフラ
デジタル技術やデータを活用し、新たなビジネス価値を生み出すデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が企業の経営課題となっている。そのためにはクラウドの活用が必須だ。実際、米Synergy Research Groupの調査によると、2021年のクラウド市場は1780億ドル(約23.7兆円)となり、前年比37%増と大幅に増加している。シェアトップは33%を占めるAmazon Web Services(AWS)だが、Microsoft Azure(Azure)がシェア21%と近年、特に猛追している状況だ。
一方、「負の側面」も顕在化してきた。それが運用負荷の増大だ。
機密データを扱うシステムなどで、何らかの形でオンプレミスが残り続ける企業は少なくない。つまりオンプレミスとクラウドを併用する「ハイブリッドクラウド」環境にならざるを得ないのだ。また、複数のクラウドを利用する「マルチクラウド」環境も避けて通るのは難しい。初期導入のしやすさなどから、事業部門主導でクラウド導入を進めるケースも増えているが、結果として「サイロ化」も進んでしまっている。
こうしたインフラ環境の複雑化が引き起こす「運用の課題」は、早くからクラウドを活用していたクラウドネイティブな企業はもちろん、本格的なクラウド活用はこれからという企業であっても共通して立ちはだかるものだ。せっかく「DXを実現したい」と導入したクラウドが、運用に手がかかり過ぎることでいつの間にかIT部門の大きな負担となり、皮肉にも「DXの足かせ」となっていないだろうか?
ただ、こうした運用の壁をうまく乗り越えた企業もある。一体、どのような手段を用いたのだろうか。ポイントは3つである。
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