法対応だけでは“無駄”? 電帳法改正を「全社的なDX」につなげるBox活用術
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電帳法の対象となる文書が散在してしまっている
──2022年に電子帳簿保存法(以下、電帳法)が改正されました。これに関連して、企業の文書管理の実態や課題をお聞かせください。Box 阿部貴氏(以下、阿部氏):そもそも電帳法改正の狙いは、デジタル化を進めて業務の効率化とそれによる生産性の向上を図ることです。しかし、デジタル化が社会に浸透する前にコロナ禍に突入したため、企業は慌ててテレワーク環境の整備や業務システムのクラウド移行に着手せざるを得なくなりました。
しかし急速に対応を進めたことで、電帳法の対象となる見積書・契約書・請求書・納品書などの「ファイル」についてはバラバラな環境に分散して保管されている、という状況に陥ってしまっている企業のお話をよく聞きます。
日本電気(NEC) 渡邊大輔氏(以下、渡邊氏):電帳法改正の対応に合わせて、「ペーパーレス化」に取り組むケースも多いかと思います。しかし「既存のシステムでは対応しきれない」という課題を抱える企業は少なくありません。
改正電帳法への対応、ペーパーレス化の推進にあたっては、単に文書をデジタル化すれば良いというわけではありません。ほとんどの企業には独自の文書管理規定があるはずですが、その内容はあくまでも「紙の文書を社内で保管する」ことが前提となっています。文書のデジタル化に関しては保管先のサーバを指定する程度で、クラウドでの保管を想定したポリシーまでは定められていないのが現状です。そのため、活用しているクラウドストレージやソフトウェアが部署ごとに異なるケースがよくあります。
しかし、企業全体としてのセキュリティやガバナンスについて考えたとき、「ファイル」の置き場所は一元化するのが理想です。企業にとっては今回の法改正を“好機”ととらえて、文書管理のあり方を再考する良いタイミングだと言えます。
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