「伊予銀行・ラクスル」の共通点、超分かりやすい「FAQ設置」の効果とは
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多様化する顧客からの問い合わせ、人手による対応はもはや限界
コロナ禍をきっかけに人々の消費行動は大きく変わり、小売におけるECの利用や飲食店におけるデリバリーの利用は日常の光景になった。顧客接点は対面から非対面へと大きくシフトし、デジタル世界におけるCX向上は、企業にとって重要な課題となった。とはいえ、CX向上の要でもあり、顧客との直接の接点でもある「カスタマーサポート」の領域に関して課題を抱えている企業が多い。特にここ数年は、Webサイトやアプリの利用増加に伴い、顧客からの問い合わせの内容はこれまで以上に多様化しており、人手だけに頼ったカスタマーサポートでは対応が追い付いていない状況がある。その結果、「電話がつながらない」「問題が解決しない」など、顧客の抱える不満とストレスは膨らむばかりという悪循環に陥っている。もはや、人手だけに頼ったカスタマーサポートは限界に来ていると言える。
一方、「顧客は人手による対応を必ずしも求めていない」という事実もある。「コールセンター白書2020」(リックテレコム刊)によると、約70%の顧客が電話で問い合わせる前に、FAQをはじめとするWebサイトを参照しているという。
この調査に基づくと、顧客は「FAQによる自己解決」を望んでいるということになり、抜本的なCX向上の鍵は人的リソースという側面でのカスタマーサポート体制の強化ではなく、FAQの改善にあることになる。
一方で、すでに多くの企業はWeb上でFAQを公開している。それにも関わらず、顧客自身による問題の解決や、その先にある顧客満足にはつながっていない。そこで、FAQ活用の成功事例から、顧客の疑問を本当に解決するにはどうすれば良いのか、その具体的な方法を探っていく。