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サブスクリプションモデルの隆盛など、「サービス」を軸にしたビジネスへの転換が進められている。顧客との継続的な関係性を築くためには顧客満足度の向上が不可欠だが、そもそも顧客にとって価値のあるサービスを体系化できているだろうか。サービスを科学する「サービスサイエンス」の第一人者で、大手企業で数々の改革を実践したことがあるワクコンサルティングの諏訪 良武氏(多摩大学大学院客員教授)に、「サービス変革」の要点を聞いた。
コモディティ化が進む中で注目される「サービス」
近年では、これまで「モノ売り」が中心であった多くのビジネスにおいて、「サービス」の重要性が叫ばれている。その背景について、諏訪氏は「革新的な新製品が少なくなり、多くの製品がコモディティ化し、価格競争に陥っているからです」と指摘する。「顕著な例はPCでしょう。はるか昔は百万円以上だったものが、今は数万円から手に入るようになりました。価格で勝負しはじめると、業界が潰れます。製品に差がないのであれば、アフターサポートを含めたサービスで勝負することが極めて重要になります」(諏訪氏)
安定した収益力を得るためにもサービスは重要だ。一例として諏訪氏が挙げたのは、航空機のエンジンである。
航空機のエンジンはしっかりとメンテナンスを続ければ50年ほど使用可能だと言われている。米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEアビエーションはエンジンをただ売るのではなく、「サービスとしてエンジンを提供する」ようにビジネスを変革したことで、経営面でも安定的な見通しが立てやすくなったという。
「このように、サービスのほうが継続ビジネス(ストックビジネス)になりやすいという本質があり、この不安定なマーケットの中で安定経営を実現するには欠かせない考え方です。ITの世界でも、使用量に応じて支払うクラウドサービスがあたり前に使われるようになりました。当初は懐疑的な見方が多かったのですが、今では定着しています。最近だとサブスクリプションが注目されていますが、こうした流れは続くものと見ています」(諏訪氏)
だが実態としては、こうした背景を理解しつつもビジネスの変革が進まず、苦しんでいる企業が多い。カスタマーサポートを含め、顧客へのサービス提供はなかなか体系化されていないためだ。同分野についてコンサルティングを行っている諏訪氏は、そもそも企業が「サービスとは何か」を理解できていないことに問題があると指摘する。
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