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  • 2020/01/08 掲載

東大のAI人材育成機関では何を教えているのか? 「AI人材不足」を解消するには

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米中を代表とするAI先進国に大きく後れているとされる日本。その危機感は、政府はもちろんのことITベンダー各社も非常に強い。特に問題となっているのが、AI(人工知能)人材の不足だ。こうした中、東京大学が設立した「東京大学エクステンション」が注目を集めている。同社が2019年4月に開校したデータサイエンススクールの狙いは何か。AI人材育成の最前線をレポートする。

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東京大学エクステンション
代表取締役 社長
堀本 勝敬 氏

深刻化するAI人材不足と政府の取り組み

 社会のさまざまな領域でAIの活用が始まっている。ただし、その動きはまだ初期段階に過ぎず、AIは今後もさらに進化し、社会構造そのものを変革するとも言われている。

 一方で、AIを支える人材は圧倒的に不足している。国際競争力の観点でも、日本は米国や中国などの後塵を拝しているのが現状だ。こうした状況に対する日本政府の危機感は強く、2017年6月に閣議決定された第3次安倍内閣の成長戦略「未来投資戦略」では「データ駆動型社会」への変革とともに、「AI人材の育成」の記載がある。

 AI人材の育成について、学術界も変わった。これまで国立大学は、教育を実施する事業に出資できなかったが、2017年4月に作られた「指定国立大学法人制度」で、指定を受けた大学は、出資対象の範囲が拡大するなどの特例が認められるようになった。東京大学の出資によって誕生した東京大学エクステンションも、こうした背景から生まれた企業だ。

 同社の代表取締役 社長 堀本 勝敬氏は、次のように説明する。

「大学でのAI教育の強化は、すでに取り組みが始まっています。しかし、大学の学卒だけではとても足りません。そこで、企業などで働く素養のある人たちに対して、大学のリソースを使ってAI教育を提供することになりました。東京大学で創出された最高水準の研究成果の中で、特に社会、産業界から要請が強いものを選択し、企業および社会人へその教育を実施することで、日本の成長とイノベーションの創出に寄与しています」(堀本氏)

 こうして2019年4月、同社はデータサイエンススクールを開校し、社会人の受け入れを開始した。現在は、実務を担当するエンジニアのみならず、大手企業やベンチャー企業のマネジメント層向けに「高度技術者向け」「ビジネスの実務者向け」「経営者・マネジメント向け」「技術のマネジメント向け」など、4つのコースを設定している。技術だけでなくさまざまなレイヤーで人材を育てる必要があるためだ。これらのコースを東京大学の選りすぐりの講師から直接受講する。

 民間企業にとってもAI人材不足は深刻だが、採用しようにも対象者の絶対数が少ない状態が続いており、「育成」こそが現実解である。ただでさえ貴重なAI人材を「階層や役割ごと」に育成する方法について、解説しよう。

この記事の続き >>
・AIの学びを「机上」で終わらせないために
・そのスキルでAIの「実案件」に太刀打ちできるか?
・製造、流通、金融などの領域で培ったノウハウが反映

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