“カモ”にされる日本、侵入はもはや100%防げない…「侵入前提」の対策法とは?
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日本企業が陥っている「負のスパイラル」と米中の覇権争い
サイバー攻撃は複雑化・高度化し、日々、脅威の度合いは上昇している。多くの日本企業は、その脅威を薄々感じながらも、本当の現実は直視できていない。サイバーリーズン・ジャパンの増田 幸美氏は、こうした日本企業が陥っている状況を「負のスパイラル」と呼ぶ。攻撃が高度化し、見えない攻撃が増加すると、攻撃が理解できない。理解できなければ対策は打てず、セキュリティの人員も投資も増えない。サイバーの対処能力は一向に上がらず、検知能力は低いままだ。その間に、攻撃はさらに高度化し、見えない攻撃はさらに増える……。この「負のスパイラル」を断ち切る方法は、「現実を知ること」以外にはない。
サイバー攻撃の現状と日本の置かれた状況を理解するには、現在の世界情勢を知ることから始めなければならない。増田氏は、現在の米中貿易摩擦を、30年前の日本と米国の関係に重ね合わせる。
「今から30数年前、日本が米国の名目GDPに迫ろうとしたときの米国の対応が、100%の報復関税、ハイテクメーカーへのダンピング訴訟、3億ドルの損害賠償請求……等々でした。そしていま、同じことが米国と中国の間で再現されているように見えます」(増田氏)
ただし、米中の覇権争いは経済だけにとどまらない。AIに不可欠なデータ、次世代の通信インフラである5G、次世代宇宙ステーション、量子コンピュータ、ブロックチェーン……等々。未来の覇権を左右するハイテク技術をめぐって、米中の覇権争いは経済、軍事、金融などのあらゆる面に拡大している。
さらに増田氏は、この世界の覇権争いに、日本も無関係ではないと指摘する。
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